セキュアヴェイルは8月4日、仮想化サーバの稼働状況をモニタリングするクラウドサービス「Virtual Aid」の無償提供を開始した。同サービスは、物理サーバに専用モジュールをダウンロードすることで、物理サーバ・ゲストOSごとにCPU・メモリ使用量・HDD使用量などを監視し、同社のポータルサイトでその状況を閲覧できるというもの。

セキュアヴェイル 代表取締役社長 米今政臣氏

代表取締役社長の米今政臣氏は、同サービスを提供するに至った経緯について、「サーバの仮想化は運用やハードウェアのコストを削減する手段として、導入する企業が増えているが、適切に管理できている企業は多くない。特に、中小企業はそうだ。仮想化サーバの運用の方法さえわからない企業もあると思う。当社としては、仮想化サーバを導入してはみたけれどうまく運用できていないといった企業に無償の管理ツールを提供することでサポートしたい」と話す。

同サービスはヴイエムウェアのVMWare ESX/ESXi v3.5/4.0を監視対象とする。VMWare製品による仮想環境をモニタリングするツールは提供されているが、導入・運用にスキルが必要であるとともに高価であるためそれほど普及していない。「お客様によっては大規模環境を対象とした高価な管理ツールが必要ではない場合もあるはず。仮想化サーバを可視化することの大切さをわかってもらうだけでなく、有償のツールが必要かどうかを見極める手段としても使っていただきたい」と同氏。

そうした状況も踏まえ、セキュアヴェイルはリソース監視を必要最低限の機能に絞ることで導入と運用を簡素化し、一般的に利用できる形態として、同サービスを提供する。

同サービスの最大の特徴は使い勝手がよい点だ。「正常は晴れマーク」、「注意は曇りマーク」、「警告は雨マーク」といったように、CPU・メモリ・HDDの状態を天気予報になぞらえて表示するので、一目で状況を把握することが可能。CPU・メモリ・HDDの状態の詳細は、管理画面のアイコン上で右クリックするだけで確認できる。

Virtual Aidの管理画面。左が無償版のトップ画面で、右はこれを拡大した画面

同サービスの無償版は利用期間に制限はないが、提供数は100社までとなっている。9月1日以降、有償の「Virtual Aid NetStare for SaaS」が提供開始される予定で、価格は月額1万円からとなっている。

無償版と有償版の違いだが、1つは監視可能なリソースの数だ。無償版は監視可能なゲストOS・CPUが4つであるのに対し、有償版は制限がない。加えて有償版は、障害時/危険時のアラートによる通知、ネットワーク機器の監視、その他のサーバ監視まで行える。