ロームは、電動パワーステアリングなど車載用途向けに、6432サイズで定格電力3Wを実現した長辺電極タイプ電流検出用チップ抵抗器「PML100シリーズ」を開発したことを発表した。すでに量産出荷を開始しており、サンプル価格は20円としている。
同製品は、高まってきている電動パワーステアリング向けに大電流に対応する高信頼性電流検出用超低抵抗に対する要求に対応するもの。数十Aクラスの大電流の制御を行なうための電流検出用抵抗器は、小電流のモバイル機器などと異なり、6432サイズなどの比較的大きなサイズを使用するが、こうした大きなチップは繰り返しの熱ストレスによる膨張、収縮によりはんだ部が破壊される懸念があり、大きな温度変化や高い湿度などの過酷な使用環境下において問題となっていた。
今回同社が開発したPMLシリーズでは、チップ本体の膨張係数を実装基板として広く用いられているガラスエポキシ基板と近くすることで、熱ストレスによるはんだ部の破壊を低減。また電極を長辺側にとることで、実装基板との接合面積を拡大したことに加え、電極間距離を短くすることで熱ストレスの影響を低減し、より強固なはんだ接合信頼性を実現した。
さらに独自の「トリミングレス構造」と長辺電極化によるより広い放熱経路の確保により、パワーステアリングなどの用途で求められていた定格電力3Wや抵抗0.5mΩを可能にしたほか、同等特性の従来品と比較して実装面積の約50%削減を実現した。