IDC Japanは8月4日、国内企業のストレージ利用実態調査の結果を発表した。これによると、2009年のIT投資の大幅な抑制に伴い、ストレージインフラの見直しを本格的に進めている企業が増加していることがわかったという。

今回の調査では、回答企業の55.9%が2009年中にストレージインフラの投資・運用の見直しを行っていたことが判明した。見直しの具体的な内容として最も回答率が高かったのは「バックアップ手法の見直し」(29.0%)だった。これに、「ディスクストレージ容量の利用率向上」(25.2%)、「ベンダー/SIerとの交渉による調達コスト削減」(24.8%)が続く。

また、ストレージインフラの見直しにあたって、大企業の25.2%、中小企業の13.6%が有償・無償を含めたアセスメントサービスをすでに利用しており、大企業の22.2%、中小企業の13.2%が今後の利用を計画しているという結果が出た。

アセスメントサービスの上位5項目は、「運用管理コストの削減」(41.1%)、「インフラコストの削減」(36.6%)、「容量の利用率向上」(31.7%)、「消費電力/冷却コストの削減」(23.3%)、「ファイルサーバー管理の効率化」(23.0%)だった。

2010年のストレージ投資の重点は、第1位が「データ量増大への対応」(42.0%)で、以降「バックアップの効率化」(34.2%)、「ストレージセキュリティーの強化」(21.0%)、「バックアップ統合」(17.9%)、「災害対策」(17.9%)が上位5項目を占めた。

ストレージ/サーバー/HCP/PCs グループディレクターの森山正秋氏は、「IT投資の増加が見込みにくい環境のなか、ストレージインフラの利用率向上やコスト削減が国内企業にとって大きな課題になっている。その課題解決に貢献するストレージ仮想化やデ・デュプリケーションといったストレージ新技術による需要開拓は、ストレージベンダーに新しいビジネス機会をもたらす」と分析している。

2009年に実行したストレージインフラの投資方法や運用方法の見直し(複数回答) 資料:IDC Japan