NTTデータは8月3日、2011年3月期第1四半期の決算を発表した。売上高は前期比78億円減の2,615億円、営業利益は前期比37億円減の128億円、経常利益は前期比36億円減の114億円、純利益は前期比16億円減の58億円と減収減益となった。
受注高も前期比595億円減の3,711億円となった。前期比から大幅減となった要因としては、パブリック&フィナンシャル・カンパニーの大規模案件の更改の減少、グローバルITサービス・カンパニーにおける運用ビジネスの縮小が挙げられた。一方、ソリューション&テクノロジー・カンパニーは連結子会社の拡大により、受注高は増えている。
売上高も、ソリューション&テクノロジー・カンパニーは連結子会社の拡大によって増えているが、パブリック&フィナンシャル・カンパニーとグローバルITサービス・カンパニーが前年同期に完成したシステムの影響で前年比に対して減少となった。
代表取締役副社長の榎本隆氏は冒頭に、同社の社員が今年6月に贈賄の疑いで逮捕された事件について謝罪した。現在、社内に調査委員会を設置し、部外の専門家も交えて調査を行っており、8月末には再発防止策などを取りまとめて発表する予定だという。
同社はこの事件の影響により、100数十の中央府省や地方自治代などから入札の指名停止を受けており、今後もこの傾向は続くことが見込まれる。ただ、団体によって指名停止期間が異なるなどの理由から、「影響額は算出していない」と同氏は説明した。
第2四半期以降の回復策としては、グローバルビジネスと法人ビジネスの拡大が挙げられた。グローバルビジネスの売上目標は1,000億円だが、700億円の見込みが立っており、あと300億円埋める必要がある。同氏によると、これまでインドでは入札の声もかからなかったが、今では最終選考には残れるようになっておきており、「あと1ステップの成長」が必要だという。また、米インテリグループとの資本提携により、インド在中のエンジニアが1,000人規模になってサポート体制も整ってきた。法人ビジネスについては、クラウドサービス「BizXaaS」などを核に攻めていく構えだ。
また、「納期短縮やコスト削減といった顧客からの厳しい要望の影響もあり、コストや期間が予定以上にかかってしまう"問題プロジェクト"が増えてしまったため、昨年の半数には押さえ込みたい」と、同氏は説明した。
第1四半期は減収減益となってしまったが、同氏はあと3期あるため十分回復可能であるとして、通期の業績予測は修正しないと述べた。