Wolfson Microelectronicsは8月3日、同社パワーマネジメントICとして「WM8321」を発表した。

パワーマネジメントIC「WM8321」

同製品は、スマートフォンや電子書籍端末、ネットブック、携帯型メディアプレーヤ、その他マルチメディアプロセッサを搭載したアプリケーション群を含むコンシューマ向け低消費電力携帯アプリケーション向けに設計されたもので、8mm×8mm、81リードのQFNパッケージにてサンプル出荷が行われている。

サブシステムには、さまざまな動作条件において高い性能と効率性をもたらすプログラマブルなDC/DC同期バックコンバータを4つ搭載。また、11個のLDOレギュレータを搭載しており、そのうちの4つは低ノイズで高い精度のアナログサブシステムを提供する。

また、集積化されたOne-TimeProgrammable(OTP)メモリは、コンバータおよびレギュレータの起動シーケンスと電圧に加え、GPIOとシステムブロックの設定シーケンスを制御することが可能だ。OTPメモリに加えて、外部EEPROM経由で複数の起動シーケンスをテスト可能にするInstantConfig Interface(ICE)も搭載しており、一度最適化された起動シーケンスの検証を終えれば、OTPへの書き込みを実行してシステムを起動させることができるようになる。

さらに、最適な熱性能を実現し、低コストのプリント基板上での表面部品実装に適するようカスタマイズされたQFNパッケージにて提供されるため、4層構造のプリント基板が利用できるため、DC/DCコンバータ用にプリント基板で大きなトラックを使うことができるようになる。加えて、寄生素子を減らして、過渡応答性能や効率を向上させることもできるようになる。

このほか、7μA未満のスタンバイ消費電流を実現しているほか、電圧検出や温度測定などの内部および外部サンプリングの各種アプリケーションをサポートする12ビットのAUX A/Dコンバータを搭載。また、セキュア・リアルタイムクロック(S-RTC)とアラーム機能を内蔵しているため、低消費電力モードからシステムを立ち上げることが可能で、ウォッチドッグ機能によりシステムの様子を監視することができる。