Infineon Technologiesは、低いオン抵抗(RDS(on))の実現により高電流の車載アプリケーションに対応する30VパワーMOSFET「OptiMOS-T2」として「IPB180N03S4L-H0」を発表した。

同製品はドレイン電流180A、RDS(on)はゲート・ソース間電圧10Vで0.9mΩを実現したNチャネルデバイス。同社のパワーMOSFET向けの第2世代トレンチ技術をベースとしており、高電流の自動車モータ駆動アプリケーションや電動ステアリング(EPS)、スタート/ストップ機能などに対応する。

多くのMOSFETを並列的に動作させる必要のある高電流アプリケーション(500A以上)に対応し、180Aの定格電流を持つため高電流システムに要求される並列MOSFETの数を1つ減らすことができ、電流共有、熱的挙動、コストを最適化することが可能だ。

また、パワーMOSFETトレンチ技術である"OptiMOS-T2"は、従来技術と比べ、RDS(on)とゲートチャージの向上を実現。結果、ゲートチャージとRDS(on)の積で表される性能指数(FoM)を低く抑えることが可能となった。また、同社の高電流「Powerbond」技術も搭載、これはMOSFETでのワイヤボンドの限界に取り組むことで、ワイヤボンドのRDS(on)ドロップを削減し、電流容量を向上させることが可能となる技術。これにより、ワイヤボンドの低温状態が維持され信頼性が強化されることとなる。最新のPowerbond技術では、シングルMOSFETで最大4つのダブルステッチ500μmワイヤボンドが実現され、標準パッケージで180Aの定格電流が可能となっている。

なお、同製品はすでに量産出荷を開始しているほか、同社では30V/180Aのタイプ「IPB180N03S4L-01」も提供を開始している。これは、コスト重視のアプリケーション向けに、10Vのゲート・ソース間電圧で1.05mΩのRDS(on)を実現するものとなっている。