シャープは、Enel Green Power(EGP)およびSTMicroelectronicsと行ってきた薄膜太陽電池の生産事業において、7月30日に合弁会社「3Sun」を設立したことを発表した。また、7月22日に伊省庁間経済調整委員会CIPE(Comitato Interministeriale per la Programmazione Economica)より同太陽電池工場に対する補助金が承認されたことも併せて発表された。

同生産事業に関しては、すでにSTMicroの伊シチリア州カターニャの半導体工場「M6」を活用することが決定されており、同工場を改装し2011年後半から薄膜太陽電池の生産を開始する予定としている。年間生産能力は第1次展開として160MWを早期に整える計画で、最大480MWまでの拡張を視野にいれるという。生産した薄膜太陽電池は、シャープとEGPの販売網を通じて、主に欧州および地中海エリアで販売を行う予定。

また、シャープとEGPは設計、建設、運営を手掛ける独立発電事業(IPP:INDEPENDENT POWER PRODUCER)の合弁会社「Enel Green Power & Sharp Solar Energy S.r.l.(ESSE)」の設立についても話し合いが進められてきたが、こちらも7月22日に設立され、独立発電事業として2016年末までに累計500MW以上の規模となる複数の太陽光発電所の建設を予定している。

発電所には、カターニャ工場で生産される薄膜太陽電池を活用し、地中海地域を中心に欧州、中東、アフリカで発電事業の展開を行う計画で、結晶系の太陽電池に比べ、高温状態でも変換効率が低下しにくいという薄膜系の特性を活用することで、南欧を含む地中海地域などの高温地域での大規模発電事業を推進していくという。