三菱電機は7月30日、平成22年度第1四半期(4/1 - 6/30)の連結決算概要を発表した。売上高は前年同期比794億円増の7,789億円、営業利益は442億円増の515億円を達成し、株主に帰属する1株あたりの純利益は12円22銭と、マイナス3円48銭だった前年同期を大幅に上回り、大幅な増収増益を果たした。黒字回復した第1四半期の数字を踏まえ、同社では4月30日に発表した業績予想を大幅に上方修正している。
三菱電機 常務執行役 吉松裕規氏は「全部門に渡って力強い成長を果たし、黒字を確保することができた。とくに重電システム、産業メカトロニクス、家庭電器の各セグメントで利益率が5%を超えた点が大きい」と語る。前年同期の営業利益73億円から700%増の515億円という驚異的な黒字回復を遂げた背景には、市場全体が緩やかな景気回復基調にあることに加え、産業メカトロのアジア地域、とくに中国での液晶、半導体装置に対する需要が大幅に回復したこと、同じく中国、インドにおける自動車機器市場が堅調であること、さらには売上原価および販売費/一般管理費の削減努力が奏効した点が挙げられる。欧州の金融危機に端を発したドルおよびユーロの下落による為替差損の影響があったものの、それを上回るアジア圏での強い需要回復に支えられた面が大きい。
同社は第1四半期における黒字回復に伴い、つづく第2四半期も売上高・利益ともに予想を上回る業績が見込まれることから、平成23年3月期における第2四半期連結累計期間および通期連結業績の予想数値を修正した。第2四半期連結累計期間における連結業績予想数値は、売上高1兆6,900億円(500億円増)、営業利益850億円(200億円増)、通期の連結業績予想数値は売上高3兆5,300億円(500億円増)、営業利益1,600億円(200億円増)。下半期については予想数値を上方修正していないが、これは「為替の変動幅が大きくなると見ており、マクロ経済に与える影響を把握しきれていないため」(吉松氏)としている。