国内唯一のDRAMメーカーであるエルピーダメモリは、2010年度第1四半期(2010年4~6月期)の業績を発表した。売上高は前期比(前四半期比)19.5%増、前年同期比143%増の1,763億円である。営業利益は前期比17.7%増(前年同期は423億円の赤字)の444億円。四半期ベースでは売上高と営業利益ともの過去最高を達成した。なお経常利益は前期比0.8%増の370億円、純利益は同8.9%減の307億円である。
2010年4~6月期は例年はDRAM需要が落ち込む時期であるにもかかわらず、今年は需要が堅調であり、さらに、販売価格が高値で推移した。DRAMの平均販売価格は前期比9%増、前年同期比78%である。このため、業績はきわめて好調な状態を維持した。
エルピーダは、DRAM製品をコンピューティングDRAM(PC向けDRAMおよびサーバ向けDRAM)とプレミアDRAM(モバイル機器向けDRAMおよびデジタル家電用DRAM)に大別している。2010年度第1四半期の売上高に占めるコンピューティングDRAMの割合は約8割、プレミアDRAMの割合は約2割である。両DRAMともに売上高は前期比で約20%増となった。
DRAMの需給見通しは2010年を通じて供給が不足気味に推移する見込み。エルピーダではモバイルDRAMの需給ギャップが特にひどく、生産能力の2倍に達する注文がきているとしていた。モバイルDRAMの需給ギャップが解消するのは2011年の初めになる見込みだ。
DRAMビット成長率は2010年4~6月期の実績で前期比8%成長だった。2010年度(2011年3月期)通年では前年比45%成長になると予測している。これは最近では、かなり堅めのビット成長率になる。