STMicroelectronicsは、最高動作温度まで定格エネルギー吸収能力を備え、電子機器のサージ保護機能の小型化とコスト低減が可能となる単一方向の電圧サージ・サプレッション・ダイオード 「Transil」の新製品「SMxJ」「SMxT」シリーズを発表した。
サージ保護は、電源の変動や静電放電の影響を受けやすい回路の損傷を防ぐために電子機器に不可欠な機能。サージ電流をグランドに逃がすダイオード・アレイもしくはTransilが、回路を保護するために使用されているが、Transilのエネルギー吸収能力は、通常、25℃時の定格で示され、最高温度でゼロになり、25℃以上ではディレーティングをかける必要がある。
同社が発表した2シリーズは、製品の最高接合部温度までの全範囲にわたり高いサージ保護機能を維持する製品で、これにより技術者は、適切な保護を実現する小型かつ低コストな製品を使用することができるようになる。
同製品群には定格サージ電力が100Wから1500W(10/1000μsパルス)の6種類の製品シリーズが用意、前世代品と比較してリーク電流を80%低減したことでエネルギー効率を向上させることが可能となった。また、クランプ電圧を正確に計算することにより、保護機能を強化し、機器の障害リスクを最小限に抑えるため、これら製品の動的抵抗に関する定格の仕様を同社では定めている。
すでに2シリーズともに量産を開始しており、スタンドオフ電圧7.5Vの「SMX1J」の単価が、3000個購入時で約0.085ドルとなっている。