Mozilla Sunbird is a cross-platform calendar application, built upon Mozilla Toolkit. |
Mozillaの提供するスタンドアローンタイプのカレンダアプリケーションSunbird 1.0 beta1が公開されている。SunbirdはMozillaツールキットをベースに開発されたカレンダアプリケーション。カレンダアプリとしては基本的な機能を備えている。SunbirdはMozilla SuiteがFirefoxやThunderbirdなど個別のアプリケーションに分離したときに誕生したが、当初期待されていたほどは開発が進まなかった。そしてメジャーリリースの日の目を見ることなく、Sunbird 1.0 beta1を最後に開発は終了となる。
Sunbirdの開発は終了となるが、この成果物はThunderbirdのエクステンションLightningとして継続される。Mozilla製のカレンダアプリが欲しい場合にはThunderbirdにLightningをインストールして欲しいとのことだ。ThunderbirdもOutlookやEvolutionのようにスケジューラ一体型の機能を模索するようだ。
日の目を見ることなく終了してしまったSunbird。せっかくなので、最終的な成果物がどういったものだったか簡単にレビューしたい。Google Calendarと同期できるため、Google Calenarを中心に、デスクトップPCやノートPCでスケジュール編集するためのアプリとしてSunbirdを活用するという活路はまだあるだろう。
Google Calendarと同期する前に、2つのことについて整理しておく必要がある。SunbirdからGoogle Calendarを購読する場合、次の2つの切り分けがある。
- 読むだけ - iCalendarのURLを登録
- 編集もする - CalDAVのURLを登録
「日本の祝日」のように読み込むだけのカレンダはiCalendarのURLを登録する。Sunbirdで編集してそれをGoogle Calendarにも反映させたい場合にはCalDAVのURLを指定する。CalDAVは次のURLの形をしており、「ここにGoogle Calendar IDを書く」の部分をそれぞれカレンダに用意されているIDに置き換えればいい。
https://www.google.com/calendar/dav/「ここにGoogle Calendar IDを書く」/events
iCalendarのURLもCalDAV URLで使うGoogle Calendar IDも、Google Calendarでそれぞれのカレンダの設定ページに行けば掲載されている。たとえば「日本の祝日」のCalDAV URLは次のようになる。
https://www.google.com/calendar/dav/japanese__ja@holiday.calendar.google.com/events
最初の一回目だけはアカウントとパスワードを尋ねられるためGoogleアカウントとそのパスワードを入力する。登録したカレンダはこの状態ではオフラインでは表示できないため、カレンダごとに設定を開いて「キャッシュ」というオプションを有効にしておく。これでオフラインでもキャッシュされたデータが表示されるようになる。
メニュー「ファイル」から「別のカレンダーを購読」を選択。読み込むだけならiCalendar、Sunbirdで編集してGoogle Calendarにも反映させるなら「CalDAV」を選択する。 |
オフラインでもカレンダが表示されるように、それぞれのカレンダで「キャッシュ」の項目を有効にしておく。 |
一度登録が完成してしまえば、あとはほかのカレンダアプリと同じように使える。特に操作で困ることはないだろう。Google Calendarをブラウザから操作するよりも、GUIアプリケーションから操作して同期したいという場合には便利だ。
ただ、最近のカレンダアプリと比較するとSunbirdの提供するUIや機能、デフォルト設定は扱いにくいところが目立つ。最近はGoogleアカウントを設定すると自動的に同期を実現してくれるものがある。そういったアプリに比べると、手動でCalDAVを指定するのは敷居が高い設定方法といえる。デフォルトではキャッシュが効かないため、オフライン状態でオンラインカレンダがチェックできない設定になっている点も、ユーザに困惑を招くポイントだ。しかし、Mozillaプロダクトらしさがあり、Firefox、Thunderbirdのラインで固めているなら、Sunbirdは雰囲気も同じで扱いやすい。今後はLightningに注目していきたい。