フォーティネットジャパンは7月30日、UTMのローエンドモデル「FortiGate-60C」を発表した。同製品の最大の特徴は、SoC(System-on-a-Chip)を採用したことによって、最大1Gbpsファイアウォールを実現する点。

FortiGate-60C

同社のUTMのローエンドモデルの製品のファイアウォールのスループットが50Mbps~500Mbpsであることを考えると、同製品のファイアウォールのスループットは段違いであることがわかる。

フォーティネットジャパン シニア・マーケティング・マネジャー 菅原継顕氏

同社のUTMには独自開発のASICである「ネットワーク プロセッサ(NP)」と「コンテンツ プロセッサ(CP)」が搭載されている。シニア・マーケティング・マネジャーの菅原継顕氏は、「これまでネットワーク処理を高速化するNPはミッドレンジモデルの200B以上にしか搭載されていなかったが、SoCであるFS1の開発によってローエンドモデルにもNPを搭載できるようになった。集積度の向上と用途に特化したチップの開発ができるのも、ハードウェアとソフトウェアのいずれも自社開発を行っているから」と説明する。

FS1は、CPU・CP・NPを1個のローコストチップに統合したもの。同チップは、「ワイヤスピードのファイアウォールパフォーマンス」や「ダイナミックアドレス変換」といったNPベースのテクノロジー、「IPSec VPNの暗号化・暗号解読オフロード」「シグネチャベースの検査」といったCPベースのテクノロジーが統合されている。

FS1の構造

加えて、SDHCカードスロットと3G無線通信のためのExpressCard スロットを搭載しているのも同製品の特徴だ。SDHCカードは最大32GBまでサポートし、イベントログを記録するために4GBのSDHCストレージカードが標準で同梱されている。「WebキャッシュとWAN最適化の目的で利用する場合は16GB以上のカードを利用してほしい」と同氏。カードが抜けないように、ネジ止めカバーも装備されている。

そのほか、今回より搭載されたUSB 2..0タイプのBクライアントポートとソフトウェア「FortiExplorer セットアップ ソフトウェア」を用いることで、Webベースのインタフェースを用いてウィザード形式で簡単にコンフィグレーションを行うことが可能になった。

価格は、初年度メーカー保守料込みで15万2,000円よりとなっている。

左より、FortiGate-60Cの前面と背面