ソニーは7月29日、2010年度第1四半期のグループ連結決算を発表した。

それによると、第1四半期は売上高が前年同期比3.8%増の1兆6610億円、営業利益が937億円改善の670億円、純利益が628億円改善の257億円、という結果だった。

第1四半期の連結業績

セグメント別では、コンスーマー・プロフェッショナル&デバイス分野が好調。売上高は前年同期比7.0%増加(前年同期と同じ為替レートを適用すると12%)にとどまったものの、売上原価率の改善、増収による売上総利益の増加、構造改革費用の減少などにより、営業利益は501億円を記録。前年同期比590億円の改善に至っている。特に、液晶テレビと、イメージセンサーをはじめとする半導体が大きく売上を伸ばしている。

また、ネットワークプロダクツ&サービスも業績を改善。売上高は、前年同期比32.4%(前年同期と同じ為替レートを適用すると41%)と大幅増を達成。営業損益も38億円損失という結果ながらも、前年同期と比べると329億円改善している。業績を牽引したのは、PCとゲーム事業。特に「プレイステーション 3」はハードウェア、ソフトウェアともに好調で売上増を達成。コスト削減に力を入れ、2009年度第4四半期で逆ざや状態を解消したことも大きく貢献している。

主なコンスーマー製品の販売台数は以下のとおり。

コンスーマー製品の販売台数

ソニー 執行役 EVP CFOの加藤優氏は、営業利益の大幅増を達成した要因について「売上増や構造改革効果もさることながら、PC、TVなど、各商品の価格を下げずに済んだことが大きい。特にPCでは、春/夏モデルの切り替えが順調だった」と説明した。

今回の結果を受け、ソニーでは年間の業績見通しを上方修正。ユーロの前提為替レートを1ユーロ125円から110円へと円高設定に変更しながらも、5月時点に比べ、営業利益で13%(1800億円)、純利益で20%(600億円)増加の見込みを立てている。