キヤノンITソリューションズは7月29日、キヤノングループが持つドキュメントや会計などの各種ソリューションをクラウドサービスで提供するために、クラウドコンピューティング技術を活用したSaaS基盤として「ITサービス共通基盤」を構築すると発表した。同社は、今年中にSaaS形式の新サービスを順次開始する予定。
同基盤の特徴は、サーバやストレージなどを仮想化し、ITサービスを顧客向けに容易かつ迅速に提供できる自動化の仕組みを取り入れている点。また、ユーザー認証・バックアップ・監視・ポータルサイトなど、サービスの提供・運用に必要な各種機能も、標準化・自動化されている。
加えて同基盤では、LANやSANなど異種ネットワークを1つの物理ネットワークに統合する「ユニファイド・ファブリック」を実現する「FCoE (Fibre Channel over Ethernet)」技術を最大限に活用している。これにより、サーバ入出力インタフェースやネットワークスイッチケーブルを共通化することが可能になり、安価で高速、かつシンプルな統合ネットワーク環境を構築している。
同基盤のハードウェアとソフトウェアはIBMとシスコシステムズの製品が採用されている。ハードウェア/ネットワーク製品としては、IBMのブレードサーバ「IBM BladeCenter」とストレージの仮想化を実現する「IBM System Storage SAN Volume Controller」、FCoE技術実装のために、シスコシステムズのスイッチングシステム「Cisco NexusTM 7000/5000/4000シリーズ」を採用。ソフトウェアとしては、基盤管理のクラウド運用管理ツール「IBM Tivoli Provisioning Manager」が採用されているほか、「WebSphere Portal Server」、「WebSphere Application Server」、「WebSphere Process Server」なども導入されている。