日本オラクル Fusion Middleware事業統括本部 ビジネス推進部長 龍野智幸氏

日本オラクルは7月28日、コンテンツ管理製品群「Oracle Enterprise Content Management Suite 11g(以下、Oracle ECM Suite 11g)」を発表、同日提供開始した。同社 Fusion Middleware事業統括本部 ビジネス推進部長 龍野智幸氏はOracle ECM 11gを「単体の文書管理製品ではなく、社内のあらゆる業務との連携を意識したコンテンツ管理製品。コンテンツ管理はサービスとして業務のなかに溶け込んでいなければならない」と位置づけ、コンテンツの一元管理を実現し、ガバナンスを向上させることの重要性を強調する。

Oracle ECM Suite 11gは「Oracle Fusion Middleware」のコンポーネントのひとつで、以下のアプリケーションから構成されている。

  • Oracle Universal Content Management 11g … 蓄積したコンテンツの原本管理
  • Oracle Universal Records Management 11g … 蓄積したコンテンツのレコード管理
  • Oracle Imaging and Process Management 11g … 業務プロセスの連携処理
  • Oracle Information Rights Management 11g (2010年3月発表) … 配布されたコンテンツのリスク管理

MS Office文書、PDFなどの一般的な文書だけでなく、Webコンテンツや画像/動画像、紙文書まで、すべてのコンテンツを一元管理できる。

とくにOracle UCMでは、MS OfficeやWindows Explorerといったデスクトップ環境との統合が図られている。これにより、Officeから直接コンテンツの編集ができるだけでなく、ワークフローの確認や原本と差分の比較をデスクトップ上で行うことができる。またWebコンテンツのオーサリング/デザイン機能も統合されており、業務ユーザでもWebサイトの編集/管理できる機能が追加されている。

Oracle ECM 11gの構成

MS Officeなどデスクトップ製品との統合も図られている

日本オラクル 常務執行役員 FusionMiddleware事業統括本部長 ヴィヴェック・マハジャン氏

日本オラクル 常務執行役員 FusionMiddleware事業統括本部長 ヴィヴェック・マハジャン氏は、Oracle ECM Suite 11gの特徴は「Simple/Smart/Scalableで表せるインテリジェントなインフラストラクチャ」としている。「単なる情報管理製品ではなく、他のオラクル製品や他社製品とも簡単に統合可能で、コンテンツガバナンスの一元管理を提供し、あらゆるビジネスプロセスと連携できる。またWebLogic Server 11gにも対応しており、高い運用可用性を担保する。パフォーマンスについてはインデックス処理やクエリ処理を向上し、93%アップを実現した」(ヴィヴェック氏)

ポイントはやはり、ヴィヴェック氏や龍野氏が強調するように、単なる文書/コンテンツ管理にフォーカスしているのではなく、他の業務との連携を前提にし、文書を含むコンテンツを業務プロセスの中に組み込む構成になっている点だろう。龍野氏は「オラクル製品をご検討いただいていたが、結局、他社の文書管理製品を購入されたお客様が、また再びオラクルに相談に来られた。これが意味するのは、文書管理だけを目的にしている製品では、機能がたくさん付いていたとしても、現在のビジネスの要求に応えるのは難しいということだ」と語り、文書を伴う日常的な業務に加え、それらの電子化、管理/保管(コンプライアンス)、物理的な配布(セキュリティ)まで含め、すべて一元管理することが重要だとしている。

コンテンツ管理は他の業務システムとの連携を前提に考える

コンテンツ管理は単に文書管理だけを指すのではなく、あらゆるコンテンツのあらゆる動きを網羅する必要がある