米Amazon.comは7月28日(現地時間)、同社のオンラインショッピングサービスにSNSによる"おすすめ機能"を提供する新サービスを開始した。これはSNSに記録されているユーザープロフィールを活用したもので、自身の入力した好みや友人のプロフィールを組み合わせることで、おすすめリストの内容へと反映されることになる。過去の購入や閲覧履歴を基に判断される現行のおすすめ機能に比べ、普段の生活内容や趣味がそのまま記録されるSNSを活用しようというアイデアだ。
今回のAmazon.comの新サービスは、世界最大手SNSのFacebookとの接続で実現されており、現在は米国ユーザー向けにベータ版として提供されている。機能的にはFacebookを外部サービスと接続させる「Facebook Connect」という機能を利用しており、Amazon.comがFacebook内のユーザープロフィールを直接参照できない一方で、Facebook側はAmazon.comの購入履歴を参照できないなど、ユーザーのプライバシーが維持されているという点が特徴となっている。
実際にどのような形でおすすめ機能が動作するかといえば、たとえばユーザーが特定のバンドや音楽ジャンルのファンだったとして、そうしたFacebook内での普段の活用内容がそのままAmazon.comでのおすすめページへと反映されることになる。またFacebook内での友人のプロフィールを参照することも可能で、これを活用して例えば誕生日やクリスマスのギフトを選べる。現行のAmazon.comのおすすめ機能はユーザー自身の閲覧/購入履歴に加え、同じような行動パターンを持つ他のユーザーの履歴が反映されたもので、ある意味で限定的だ。その点、普段の行動に密着しやすいSNSをおすすめ機能に活用することは、今後のインターネットのトレンドを考えるうえで非常に興味深い。