欧州委員会(EC)は7月26日(ベルギー時間)、米IBMがEU競争法(独占禁止法)に違反している疑いがあるとして2件の調査を開始したことを発表した。共にメインフレーム事業に関するものとなる。
1件目は仏TurboHerculesと米T3 Technologiesの申し立てを受けてのもので、IBMがメインフレーム事業でハードウェアとメインフレームOSを紐付けして販売している疑いがあるというもの。TurboHerculesは、オープンソースとして公開しているIBMメインフレームのエミュレータ技術「Hercules」を商用提供するベンダで、IBMがHercules向けにライセンス提供を拒否しているとして、2010年3月にECに対して申し立てを行っていた。
その後、欧州のオープンソース活動家のFlorian Mueller氏がIBMとTurboHerculesの間でやりとりされた書簡を公開、IBMが小規模ベンダに対して特許威嚇を行った、とIBMを攻撃している。
2件目はEC独自のもの。IBMがメインフレームの保守サービスで競合企業に対し、自社しか提供できない予備部品のアクセスを制限したり遅らせたりすることで、締め出そうとする疑いがあるとしている。