ITホールディングスグループのTISとインテックは7月26日、同社グループが推進するクラウドテレフォニー事業のサービス第1弾として、SaaS型着信管理サービス「Callノート」を8月2日より共同で提供開始することを発表した。

ITホールディングスグループ 執行役員 事業推進本部 本部長 荒野高志氏

ITホールディングスグループ 執行役員 事業推進本部 本部長の荒野高志氏は、初めにクラウドテレフォニー事業について説明した。

「クラウドテレフォニー事業を開始するにあたり、顧客とディスカッションしたところ、ユーザーが電話から"顧客の動向を測り、新サービスのヒントにしたい"、"ユーザーの囲い込みを行いたい"ということがわかった」

現在、日本の顧客が物品を購入する際、広告で興味を持ったり、検索したり、物品を購入した後に感想を公開したりといった行動はWebで行い、業者に対する確認や予約は電話で行うといったように、Webと電話が使い分けられている。この時、電話による行動によって購買履歴や顧客の行動履歴が抜け落ちてしまうため、それを回避するのが同事業だという。

「クラウドテレフォニー事業では、電話から取得できるあらゆる情報をWebで活用できる仕組みを構築する」と同氏。これまで、インターネットを用いた電話サービスとして、IP電話やSkypeが開発されたが、同氏はこれらが「Webサービスに電話機能を融合しなかった」と指摘する。

同サービスは、コールセンターなどにかかってきた顧客の電話について、着信電話番号からどの媒体を見て電話をかけてきたのかということを瞬時に確認できる仕組みをSaaSで提供するもので、電話番号をキーに広告効果の検証を支援する。広告代理店・ECサイト・コールセンターでの利用が想定されている。主要な機能は次のとおり。

  • 仮想電話番号の払い出しと転送機能
  • 音声ガイダンス機能
  • レポート機能
  • 外部システム連携

Callノートの仕組み

同サービスでは、広告代理店の顧客やコールセンターの番号について、広告を出す媒体やWebごとに仮想の電話番号を割り振り、顧客が仮想電話番号に発信したら、それを実際の番号に転送する。実際の番号へ転送される際、どの媒体の仮想電話番号からの受信かを音声で知らせることができる。電話番号の着信履歴を蓄積できるため、どの媒体からの受信が多いかなどを分析して、広告の効果を測ることが実現される。

Callノートの操作画面。左から、仮想電話番号を払い出す画面、通話履歴をグラフ化した画面

同サービスはクラウドテレフォニーのサービス第1弾だが、同社は今後、「録音・自動コール」「SMS/Voiceメール」「音声の自動テキスト化」など、より付加価値の高いサービスを提供していく構えだ。また、アクセス管理制御に関する特許を出願中であり、そのコンポーネントのリリースが予定されている。

クラウドテレフォニー事業のサービスの方向性

同サービスの料金は、初期契約料が30万円で、月額基本料が10万円(同時着信回線数が10)からとなっている。これらに加え、必要に応じて、仮想電話番号の発行手数料として1番号当たり500円、仮想電話番号管理費用として1番号/1ヵ月当たり100円を支払う必要がある。