富士通セミコンダクター(FSL)は7月26日、自動車のダッシュボード(カラー表示付きメータパネル)やセンターコンソール(各種車載表示端末)向けコントローラLSI「MB91590シリーズ」6製品を開発したことを発表した。また、セグメントタイプ表示付きダッシュボード向けコントローラLSI「MB91570シリーズ」2製品も同時に発表した。MB91590シリーズは、2010年9月下旬から順次発売を開始し、MB91570シリーズは、2010年12月下旬から順次発売する予定。
MB91590シリーズは、車載マイクロコントローラとして実績がある128MHz駆動の同社CPUコア「FR81S」(システムコントローラ)とGDC(グラフィックス・ディスプレイ・コントローラ)、ビデオキャプチャ、通信機能などのほか、フィルタ演算などの画像処理を高速に実行するための単精度浮動小数点ユニット、メモリ領域へのアクセス保護が可能なメモリ・プロテクション・ユニットを1チップに集積した車載向けシステムコントローラーLSI。CPU性能を有効活用するために、同社の新NOR型フラッシュメモリ・マクロ「EcoRAPID」を搭載し、メモリアクセス動作の高速化、低消費電力化を実現している。
また、自動点滅、アニメーションやアンチエイリアスフォント表示など、各種の機能を搭載したスプライト機能に加え、ビデオメモリを内蔵し、ライン描画や領域コピーなど、ダッシュボードに要求される表示機能を多数搭載している。さらに、ビデオキャプチャ機能は、デジタルYUB/RGBビデオ信号のほかに、NTSCデコーダを搭載することでアナログビデオ信号にも対応し、キャプチャした画像の拡大縮小、90度回転などの処理も実行可能だ。加えて、ランレングス圧縮した画像データを展開表示可能なため、画像データ保存時のメモリ使用量を抑えることができるようになっている。
このほか、スピードメータなどに使うステッピングモータ制御用コントローラーや、ウィンカーや警報音作成用のサウンドジェネレータ、車載ネットワーク制御に適した64メッセージバッファ対応CAN、LIN対応UARTなど、ダッシュボードシステムに必要な周辺機能を搭載している。加えて、CR発振回路、ハードウェアウォッチドッグ、低電圧回路なども搭載しているため、従来と比べて周辺部品の削減も可能となっている。
なお、MB91590シリーズのサンプル価格は1,800円からで、同社では2シリーズ合計で年間200万個の販売を目指すとしている。