リクルートが運営するWebサイト『リクナビNEXT Tech総研』は7月21日、IT系、電気・電子・機械・素材などのエンジニア1,000人を対象に実施した2010年夏のボーナス支給額に関する調査の結果を発表した。
回答者の勤務する企業規模は、57.9%が1,000人以上、残りが1,000人未満と、大企業と中小企業がほぼ半々という構成となっている。
回答者全体平均の夏のボーナス支給額は全体平均で59.2万円となり、20日に経団連が発表した75万7,638円よりは低い額となっている。ただし、大阪信用金庫が1日に発表した「中小企業の夏季ボーナス支給状況」では、平均支給額は25万3,559円となっており、これよりは高い額となっている。
職種別に見て最も支給額が高かったの、IT系の「研究、特許、テクニカルマーケティング、品質管理ほか」で73.8万円だった。これに、「素材、半導体素材、化成品関連」(70.8万円)、「通信インフラ設計・構築(キャリア・ISP系)」(68.8万円)、「コンサルタント、アナリスト、プリセールス」(68.3万円)」、「ハード系の制御設計」(68.2万円)が続く。
逆に、最も支給額が低かったのは、「運用、監視、テクニカルサポート、保守」で50.2万円だった。これに、「サービスエンジニア」(50.9万円)、「セールスエンジニア、FAE」(52.4万円)、「システム開発(マイコン・ファームウェア・制御系)」(53.9万円)、「システム開発(汎用機系)」(54.1万円)が続く。
IT系とハード系では、前者が58.9万円、後者が59.5万円と、わずかながら差がついた。全体的には前年度に比べて増えているが、なかでも増加幅が大きな職種は「素材、半導体素材、化成品関連」9.9%、「光学技術」9.0%、「ハード系の研究・特許、テクニカルマーケティングほか」7.0%など、ハード系に集中している。
また業種別で見ると、ベスト5は、「大手SIer/NIer、コンサルファーム、ベンダー」(86.8万円)、「化学・石油・ガラス・セラミック・セメントメーカー」(80.5万円)、「金融・保険系」(79.1万円)、「外資系SIer/NIer、コンサルファーム」(68.8万円)、「鉄鋼・金属メーカー」(65.9万円)となっている。
同調査では、「外資系SIerを国内系が上回るのは珍しい現象。いずれにしてもIT業界ではより上流工程に関わる企業が強く、その他の業界では化学・素材系の好調ぶりが印象に残る」とコメントしている。
一方ワースト5は、「技術系人材派遣企業」(34.5万円)、「専門コンサル系」(35万円)、「住宅・建材・エクステリアメーカー」(37.8万円)、「上記以外のソフトウェア・情報処理系」(45.2万円)、「食料品メーカー」(45.4万円)となっている。