オートデスクは、工業デザイナー向けのセミナー「Autodesk Designers Day 2010」を都内にて開催した。このセミナーでは、iPhone/iPad向けアプリ「SketchBook Mobile」と「SketchBook Pro」が紹介された。
指で簡単にイラストが描ける『SketchBook』で描かれた作品たち |
iPhone用アプリ『SketchBook Mobile』は350円。無料体験版もある |
iPad用アプリ『SketchBook Pro』は900円 |
SketchBook MobileとSketchBook Proは携帯デバイスで気軽にイラストを描けるペイントツールだ。このツールは、元々PC用に開発されたツール「SketchBook」を、Apple製の携帯端末で動くようにチューンしたもの。SketchBookの解説を行なったのは、米オートデスク クリエイティプロデューサーのTatjana Dzambazova氏。
Tatjana氏は、「こんなにPCが進化した時代でも、デザインは必ず紙の上から生まれている」と語った。SketchBook MobileとSketchBook Proは指でなぞった通りに絵を描けるツールなので、まるで紙に鉛筆で絵を描く感覚でイラストを描けるのが特徴。初めはiPhone版をリリースしたのだが、そのときは社内では「こんな小さなデバイスのペイントツールなんて誰が買うんだ?」と議論が起こったそうだ。しかしリリースしてみると、170万ダウンロードを記録する大ヒット商品となった。この結果を受けてiPad版を開発し、たった4週間で4万5000本を販売。Tatjana氏は、「開発時に注意したのは、PC版で好評だった手描きさながらの自由度を維持すること。それと、ハードが違っても描けるイラストのクオリティーが同じとなるように気をつけた。デバイスごとに違っているのはインタフェースだけ」とSketchBookについてコメントした。
セミナー後半では、米オートデスク ソリューション開発チーム クリエイティブデザイン担当のジョン・ウォンジン氏が『SketchBook Pro』を使ってデモンストレーションを行なった。
ウォンジン氏お勧めの使い方は、市販されているスタイラスペンを使うことと、摩擦の強い保護シールを貼らないこと。ウォンジン氏が使用したスタイラスペンは「pogo sketch」だった。このままでも描けるのだが、ペン先に少量の水を付けながら描くと、より描きやすくなるという裏技も実践して見せた。また、ペン先以外の手がパネルに触れると反応してしまうため、真剣に描くときは指切りグローブを着用するといいようだ。
なお、SketchBook Proはレイヤーを扱え、そのままのデータ保存できる。そしてファイルをメールでPCに送信すれば、『Photoshop』などのツールを使って微調整したり再加工することも可能だ。