DVD郵送レンタルと動画コンテンツのオンラインストリーミングを提供する米Netflixは7月19日(現地時間)、同社サービスの提供地域をカナダに拡大すると発表した。カナダ在住のユーザーはNetflix対応機器に加えて月額8.99ドルのサブスクリプションに加入することで、TVエピソードや映画コンテンツのオンライン視聴やDVDレンタルを無制限に楽しむことが可能になる。
同社は1997年設立のいわゆる"ドットコム・ベンチャー"の生き残りで、オンライン経由でDVDを注文してレンタルできるという定額レンタルサービスで急成長を遂げてきた企業だ。社名と同じサービス「Netflix」は日本ではほとんどなじみがないが、米国ではサービス加入者が1,000万人を超えているなど、非常にメジャーだ。
返却が必要ない同サービスのメリットは国土が広い米国では特に有効で、2大ビデオレンタルチェーンのBlockbusterやHollywood Videoを相手に有利な戦いを進めてきた。近年ではBDのラインアップを拡充したほか、さらにオンラインストリーミングによるオンデマンド配信サービスにも参入している。
この辺りの背景は、米国在住のYoichi Yamashita氏がたびたびコラムで触れているので、こちらをご覧いただきたい。
そして、今回の初の海外進出だ。同社では過去に英国への進出計画があったが中止されて、カナダが正式な初のサービス拡大地域に選ばれた。DVD/BDレンタルもさることながら、やはり最大の目玉は「Watch Instantly」と呼ばれるオンラインストリーミングだろう。
PCやMacが手元にあれば、簡単にディスプレイ上で各種コンテンツの再生視聴が可能なほか、iPad用Netflixアプリといったモバイル機器向けの視聴ソフトが用意されており、出先や寝床でも手軽に楽しめる点が大きい。
またPC系の機器のほか各種ゲーム機にも対応しており、最近ではTVやBDプレイヤー/レコーダーといった家庭用AV機器でもNetflix対応をうたうものが登場している。Netflix対応がこれら機器の売上を左右しているといった話もあり、例えば100ドル前後の安価なBDプレイヤーでさえ、Netflix対応をセールスポイントにしているほどだ。
なお、カナダでのサービス開始は今年第3四半期を予定している。カナダでも当初は英語コンテンツのみの提供となっているが、やがて対象言語や地域を拡大して日本にも上陸することはあるのだろうか?