米Dellは7月19日(現地時間)、ストレージ最適化(Optimization)技術を持つ米Ocarina Networksの買収で合意したと発表した。Ocarinaの持つ技術を使うことでデータ圧縮ならびにコンテンツ種別に応じたストレージの最適化が可能になり、ユーザーはデータ管理の省力化が可能になる。買収金額等の詳細は公表されておらず、Dellによれば、今月中にも買収が完了する見込み。

Ocarinaは2007年設立のスタートアップ企業で、米カリフォルニア州サンノゼを拠点にする。同社の製品ラインナップは「Optimizers」「ECOreader」「ECOvault」の3種類の製品から成る「ECOsystem」を中核としており、特に"Deduplication"と呼ばれる重複データの統合や、アーカイブの圧縮など、データ量削減とその管理アルゴリズムに秀でているといわれている。例えばファイル圧縮等の処理はファイルの種類や作成日時等の属性を基に重み付けが行われ、「利用率の高いデータほど優先して処理される」形で保存されてストレージ上に配置される。これらの処理は単純にファイル単位ではなく、電子メールやマルチメディアデータなど、非構造化データであってもコンテンツの内容を判断して行われる点に特徴がある。同社ではECOsystemソフトウェアのほか、これらソフトウェアを搭載した圧縮処理用アプライアンスの販売やソフトウェアのOEM提供などを行っている。

Dellがストレージ関連で比較的大きな買収を行うのは、2007年の米EqualLogic以来のこととなる。EqualLogicはIP-SANのネットワークインフラや管理ソリューションを中心としたベンダーだったが、今回のOcarinaはその管理ソリューションを補完する役割を持つ。企業が管理するデータは日々増加の一途を続けており、こうした重複管理/圧縮ソリューションの需要は高まりつつある。今回の買収で、こうしたユーザーのニーズに対応していく。