日立コンサルティングは7月16日、金融機関向けにIFRS対応ロードマップ作成や予算作成を支援するサービス「ITインパクト診断ワークショップ」および「IFRS構想策定サービス」の提供を開始した。金融機関にとって最も影響の大きい金融商品会計における精度の高い調査を行い、現時点からIFRS対応を踏まえた2011年の予算策定を支援することを狙いとする。
ITインパクト診断ワークショップは、まずトレーニングとして全業種共通的な基準と金融商品会計の基準を理解するところからはじまり、その後、ワークショップではトレーニングマテリアルと連動したアセスメントツールを用いて現行の業務/システムの調査を行い、IFRS対応によって影響が出るシステムを洗い出す。本サービスの最短期間は1カ月、価格は500万円から。
IFRS構想策定サービスでは、システム影響度分析→改善課題導出→予算算定というステップを踏み、ロードマップの作成と予算策定につなげる。特徴は、日立製作所グループおよび日立コンサルティングが導入してきた金融機関の勘定系システムや情報系システムなどの豊富なノウハウをベースに、迅速なシステム化に向けた計画策定支援を行う点。すでに韓国では2011年にIFRS強制適用が始まるなど、欧州やアジア圏ではIFRS対応が先行しており、金融機関においてこの影響が広範囲に及ぶことを考え合わせると、同サービスは3 - 4カ月の期間を要するとされる。
日立コンサルでは「年内に向けた2011年の予算策定を念頭におくなら、現時点が本サービスの利用を開始するのが適切なタイミング」としている。