大手石油会社の英BPは7月15日(現地時間)、米Vereniumからセルロース由来のバイオ燃料技術資産を9,830万ドルで取得することで合意したと発表した。セルロース系資源から製造するバイオ燃料機能をエンドツーエンドで保有できるとしている。

Vereniumは高性能酵素やセルロースエタノールなどのバイオ技術を持つ企業。BPとVereniumはすでに提携関係にあり、バイオ燃料企業のVercipia BiofuelsとGalaxy Biofuelsを共同設立している。

今回の取引でBPは、Vereniumがロサンゼルスとサンディエゴに持つバイオ燃料設備、セルロース系バイオ燃料技術および関連する知的所有権、セルロース系酵素技術および関連する知的所有権を取得し、Vercipia BiofuelsとGalaxy Biofuelsを完全子会社とする。Vereniumは中核となる酵素事業を維持し、リグノセルロース系バイオマスの酵素技術を自社で開発する権利などを有する。

これにより、BPはセルロース由来のバイオ燃料技術の開発から商用化までの機能をエンドツーエンドで有することになるという。同社は2010年4月末にメキシコ湾で発生した石油流出事件で米国を中心にイメージが低下しているが、今回の取引は米国でこの分野のリーダーとなる意図を意味する、と述べている。BPは2006年以来、15億ドル以上をバイオ燃料分野に投じているという。

取引は2010年第3四半期に完了を見込む。