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JavaScriptを使った本格的なWebアプリケーションやWebサイトの構築が活発になりはじめた頃、Webデベロッパはいくつかのことに頭を悩ませなければならなかった。主な懸念事項は次のとおり。

  • DOMの操作が煩雑で面倒くさい。
  • 複数のブラウザで同じように動作させるのが大変。

すでにIEがほとんどのシェアを占めるという時代は終わり、Firefoxを筆頭にマルチブラウザの時代がはじまっていた。この2つの問題を解決するためにJavaScriptライブラリが登場してくる。いくつものライブラリが生まれたが、走りとなったPrototype、そして現在もっとも人気があるjQueryの2つが特に有名。もちろん、これ以外にも多くのJavaScriptライブラリが存在する。

PCブラウザはIE8やIE9が標準規約への準拠へ方針を転換したことで、数年先の未来は明るいものになりそうな気配を見せている。今、数年前のPCと同じように混沌とし始めているのはモバイルWebだ。iPhone 4やiPadの登場の影響もあってか、ここ数ヶ月の間はモバイルWeb開発に関する話題があがることが多い。現在のところシェアの上ではPCにかなうものではないが、数年後には無視できないプラットフォームになりそうで、カッティングエッジなWebデベロッパはすでに情報収集とスキルアップに躍起になっているというわけだ。

このモバイルの世界でも、jQueryはもしかしたら救世主になるかもしれない。Web Directions Reflections, part 2: Mobile Development with John Resig and Jonathan Stark - SitePointにおいて、jQueryの開発者であるJohn Resig氏がモバイルにも対応したjQueryの開発に意欲的であることが紹介されている。過去3年間にリリースされたモバイルデバイスのうち主要なデバイスに対応するという。モバイル版jQueryではなく、ひとつのjQueryでモバイルからPCまですべてのデバイスに対応するという野心的なものだ。

SitePointの記事で指摘されているように、モバイルデバイスにおけるブラウザの種類はPCよりも多く、そしてその機能も多種多様、すでにPCブラウザへの対応でテストが難しくなっているjQueryが、さらにこうしたデバイスにもユニバーサルに対応できるのかは疑問符が残るが、魅力的な内容だ。今後の展開に注目しておきたい。