NetLogic Microsystemsは、40Gbpsのワイヤスピードでフルに接続し、Layer 2~7の処理をリアルタイムで行える「NLX321103A」を発表した。

同社は2009年6月にRMIを買収しており、今回の製品はRMIがNetLogic傘下に入っての初製品ということになる。NLX321103Aは従来RMIがXLPシリーズで提供してきたマルチコアプラットフォームと、NetLogicが提供してきたKnowledge-basedプロセッサを組み合わせたもので、L2~L7ソリューションに最適と同社は説明している。具体的には、NLX321103Aを利用する事で、Deep packet content inspectionやIntrusion Prevention(IPS)、IPv4/v6 Forwarding、IPSec/SSL Encryption、ACL監査、圧縮/伸張、QoSといった複雑なサービスを、40Gbpsのワイヤスピードに対して同時に実行することが可能としている。

同社によれば、IPベースネットワーク上での音声/ビデオ/データのトラフィックは携帯端末の伸びもあって指数関数状に伸びており、L2~L7におけるさまざまなサービスをリアルタイムで処理するニーズが高まりつつあるという。競合製品はこれを画一的に処理できる製品がないため、OEMベンダはしばしばL2~L4の処理とL4~L7の処理を別々のボードに分ける形でこれに対応している。NLX321103Aはこれを1つの製品でまとめて処理できるとしている。

NLX321103AにはXLP832マルチコア/マルチスレッドベースプロセッサをベースとしたNXCPUが32個利用され、各々は50Gbpsを超える高速かつ低レイテンシなシリアルバス経由で128個のNL11k Knoledge-based Processing Engineに接続される。NL11Kは合計でL2~L4のフロー制御やACL、QoSポリシーなどに関し、最大10億decision/secのスピードで処理可能である。

NL11KはTSMCの40nmプロセスで製造され、高速かつ低消費電力を両立している。このNLX321103AとNL11Kの組み合わせは現在存在するL4向けソリューションよりも15倍程度高速であるとしている。これを支えるのが2つ目のインタフェースを使って接続される、196個のNetLogicの第3世代IFA(Intelligent Fabric for Automata)であり、これは同社のNETL7(L7向けknowledge-based processor family)に使われていたエンジンを利用したものである。

IFAエンジンは数十万におよぶパケットに対して、数千にもおよぶPCRE(Perl Compatible Regular Expression:Perl互換正規表現)のシグネチャを使って検査することに最適化されており、ハードウェアでステートフルパケットインスペクションを実施することが可能である。IFAエンジンにはオンチップメモリが搭載され、500Tbit/secを越える帯域でパケットの検査が可能である。

NLX321103Aは現在アーリーアダプタに対してこの技術説明を開始しており、今年第3四半期にサンプル出荷を開始する予定である。