雑誌『+DESIGNING』、雑誌『Web Designing』、『マイコミジャーナル』の3媒体が、様々なジャンルのクリエイターたちを100人連続で紹介していく新企画。第35回は、資生堂で海外向けのパッケージ、広告のデザインを手がけるグラフィックデザイナー・アートディレクターの三浦遊が登場。

三浦遊プロフィール

1980年東京生まれ。東京藝術大学美術学部デザイン学科卒業。資生堂 宣伝制作部入社。フレグランスZENやエリクシールなど、国内外の広告を制作。2008年東京新聞広告賞、部門賞。2009年全国カレンダー賞、経済産業大臣賞。JAGDA会員。

Q&A

――この仕事に就こうと思った年齢ときっかけは?

三浦遊(以下、三浦)「高校生の頃、ユルゲン・テラーの写真集を見て、いつかはこんな世界に入りたいと思いました。ただ、不思議とフォトグラファーになりたいという衝動には駆られず、デザイナーになりたいと思いました。きっと本そのものに興味があったのだと思います」

――これまでで一番思い入れのある仕事は?その理由や思い出を教えてください。

三浦「入社してすぐに担当したフレグランスZENの仕事です。上司である澁谷克彦のディレクションのもとで、ジャン・ポール・グード氏を起用した仕事です。仕事はパリとのやり取りも多く、時差がどれくらいあるかも、国際電話のかけ方もわからない新人にとっては、刺激的な仕事でした。昼間は東京で制作、夜中はパリに居るADと電話。といった日々が心地よくもありました」

ZEN
CL:資生堂 / D:高磯恵子+三浦遊

――この仕事を辞めようと思ったことはありますか?また、そのきっかけは何ですか?

三浦「衝動的に稀にあります。今に不満がある訳ではなく、といって、ものすごく満足している訳ではなく。自分の今の仕事とは違う仕事に夢中になっている人と出会うと、何か違う自分になってみたいと思います。それが、辞めたいという事なのかは定かではありませんが」

――これから取り組んでみたいこと、関わってみたい仕事は何ですか?

三浦「映像の世界です。今や、どこで何が映像の媒体になるかわからないので、興味が沸きます。それと、装丁です。何冊かデザインをしましたが、奥深いものです」

――愛用している、思い入れのある道具や本、ものを教えてください。

三浦「FINPOINT SISTEMのドローイングペン。オフィスに常備されているのですが、線幅の種類が多く、消しゴムにも強いです」

三浦氏愛用のFINPOINT SISTEMのドローイングペン

――尊敬している人を教えてください。

三浦「信頼しあったり、したりできる全ての人」

――アイデアを練る場所、時間などを教えてください。

三浦「時と場所を問わずアイデアを練っています」


――1カ月で仕事をしない日は何日ありますか?

三浦「4~6日くらいかと。休みの日も、結局は色々考えてしまいますが。でも、一番ゆっくり考えられるのは休日とも言えますね」

――理想的なオフの過ごし方は?

三浦「昼前まで、寝て。子供と散歩して、昼下がりから友人たちと家飲みをする」

――趣味やコレクションなど、いま、個人的にハマっていることを教えてください。

三浦「いろんな場所でモヒートの味を比べる事。それと、Elder flowerというハーブ飲料。ロンドンで買ってしばらく放置したままでしたが、最近開けました。不思議と体調が良くなります」

――お酒を飲みますか?週何日、どのくらいの量を飲みますか?

三浦「週に1~2日。かなり飲む時も、、、」

――同業でよく飲みにいく、食事をする人は誰ですか?

三浦「会社の人は多いですね。会社以外だと、大学の同級生たちです」

作品紹介

上:花椿表4シリーズ
CL:資生堂 / AD+D+I三浦遊
下:資生堂カレンダー
CL:資生堂 / AD+D+I三浦遊