特定非営利活動法人ASP・SaaSインダストリ・コンソーシアム(以下、ASPIC)は7月9日、建設/不動産分野におけるASP/SaaSの利用実態調査結果を発表した。

調査は、ASP/SaaS事業者であるASPICの会員企業170社に対してアンケートを行うかたちで実施。建設/不動産分野におけるASP/SaaS利用状況やサービス内容について明らかにしている。

調査結果によると、建設分野のASP/SaaS利用企業数は1万1500社に上るという。この分野で提供される主な機能としては、「プロジェクト情報管理」、「スケジュール/工程管理」、「企業間ワークフロー」、「購買/見積管理」、「契約管理」、「出来高/請求管理」、「電子納品」、「労務安全管理」などが挙げられ、全国各地に分散する建設現場や複数企業間での情報共有/業務連携に活用されている。代表的な利用企業としては、大成建設、清水建設、鹿島建設、大林組などの大手ゼネコンや、独立行政法人都市再生機構などが記載されている。なお、この調査では、国土交通省が推進してきた企業間電子取引の仕組み「CI-NET」は対象から除外している。

一方、不動産分野については、利用企業数が約2000社、利用棟数が13万2000棟という結果だった。主な機能としては、「不動産基本情報管理」、「テナント管理」、「予算収支管理」、「工事管理」、「クレーム管理」、「メンテナンス管理」、「エネルギー/CO2排出量管理」、「LCC管理」が挙げられている。三井不動産、東京海上日動火災、日産自動車、パナソニック、国土交通省、東京都などが利用企業/団体として紹介され、不動産投資信託(J--REIT)においても6割以上の企業で活用されているという。