日本オラクルは7月8日、同社の製品を活用して、オムロンが幅広い業務を網羅し、SOAを活用したIT基盤の構築を完了し稼働を開始したと発表した。
オムロンでは、メインフレームで稼働する基業務システムと各部門の個別要件に対応した複数のシステムが各拠点に散在していたため、システムの複雑化や変化への対応が課題となっており、ビジネスの変化に柔軟かつスピーディに対応できない状況だった。
同社はこうした背景より、グループ全社における事業プロセス革新の促進を図ることを目的に、 「IT構造改革プロジェクト」を発足し、業務プロセスとITとの統合を実現するIT基盤の構築に着手した。
オラクルでは、業務プロセスにおいて共通化できる領域はすでにプロセスが完成しているERPなどのパッケージ製品を採用し、オムロンの強みとなる差別化すべき領域はカスタムアプリケーションを開発した。
新システムには、経営管理アプリケーション製品「Oracle Enterprise Performance Management System」、ERP製品「Oracle E-Business Suite」、CRM製品「Siebel CRM」、異種アプリケーション統合基盤「Oracle Applications Integration Architecture」、ミドルウェア製品「Oracle Internet Application Server」、「Oracle SOA Suite」、「Oracle Enterprise Manager」、「Oracle Access Manager」、データベース製品「Oracle Database」が採用されている。
新システムは、昨年8月にはSCMが1工場で、SFAが電子部品事業・制御機器・FA事業で稼動開始した。今年5月からは、SCMの2次展開として国内の大規模生産工場で稼働がスタートしたほか、経営管理とグローバル連結も全社で稼働している。
オムロンは今後、一般会計、受注から入金業務の分野の導入に着手するとともに、2012年までに国内と海外への展開を進めていく予定。