ルネサス エレクトロニクスは7月7日、300W程度の小電力電源ユニット向けに、電流連続モード方式の力率改善制御IC(PFC制御IC)「R2A20131」を発表した。すでにサンプル出荷を開始しており、サンプル価格は80円、量産は2010年10月開始を予定しており、2011年10月以降は月産100万個を計画している。

ルネサス エレクトロニクスの力率改善制御IC「R2A20131」

同製品は、Load Tracing Boost(LTB)機能を採用したことにより、軽負荷時にはDC320V程度に下げて制御。これにより、従来品比で、20%軽負荷時の電力変換効率を約1%、50%負荷時の効率を約0.5%向上することが可能だ。このため、エネルギー高効率化のために電力変換効率を規定している「80Plus」プログラムの中でもより高い効率を求められる「80Plus Gold」に対応可能となっている。

また、入出力電圧検出の際に電力が損なわれる検出抵抗損失については、機器のスタンバイ時の検出抵抗損失を従来品の1/5以下の約26.5mWに低減、オフィス機器の国際的省エネルギー制度である「国際エネルギースター(Energy Star)」や欧州連合(EU)のEUP指令で規定されるスタンバイ電力規格に対応した省電力の電源ユニットを実現可能となっている。

さらに、入力AC電圧が低下した時に動作を停止するブラウンアウト機能、独立した電圧検出によるパワーグッド機能、過電圧保護回路など多種の保護回路を内蔵しており、これら保護回路の搭載により、電源システムの信頼性向上が可能となるとともに電源ユニットの簡素化が図れるようになる。