伊藤忠商事は7月5日、米国の資源開発会社 シンボル マイニング社に資本参加したことを発表した。
シンボル マイニング社はカリフォルニア州南部の地熱発電所から使用済み地熱かん水に含まれるリチウムを回収し、リチウム化合物を製造する事業を行っており、数年以内での商業生産を目指し、製造技術の開発や改良を行っているという。
シンボル マイニング社は、2007年2月に米国エネルギー庁傘下のローレンスリバーモア研究所のスピンアウト組織として発足。地熱かん水に含まれるリチウムの抽出技術開発に専念し、事業化のメドが立ったことで伊藤忠商事の参画を受け入れたとされる。
炭酸リチウム換算でのシンボル マイニング社の年間生産量は約1万6000トンになる見込みで、短期間で増設・増産が可能であるほか、二酸化炭素排出を抑えた事業の推進が可能であることなどから、今後リチウム資源の重要な供給源となることが期待されているという。
伊藤忠商事は今回の出資によってシンボル マイニング社が生産するリチウム化合物のアジア(日本、中国、韓国を含む)向け総販売代理店権を獲得。同社は今回の投資について、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)による融資を受ける方向で検討を進めているとしている。