国土交通省は7月5日、成田国際空港においてボディスキャナーの実証実験をスタートした。今回、5種類の実証実験が順番に行われるが、最初に行われるのは米国L-3 CommunicationsのProVision ATDで、実施場所は第1ターミナルの南ウィング集中検査場前スペース。
同実証実験は7月5日から9月10日まで行われ、その間5種類のボディスキャナーの実証実験が実施される。
7月5日から7月9日までの実験で用いられる米国L-3 CommunicationsのProVision ATDは、ミリ波を人体に照射するアクティブタイプだが、画像は調査員の目に触れずに機械で隠匿物を検知する機種。
米国L-3 CommunicationsのProVision ATDによる検査 資料:国土交通省 |
7月20日から7月24日までの実験で用いられる東北大学・中央電子・マスプロ電工が開発しているMPI 2と8月2日から8月6日までの実験で用いられる米Brijot Imaging SystemsのSafe Screenは、人体が発するミリ波を検知するパッシブタイプで、機器脇の画像調査者がマーキングを参考に隠匿物の有無を判別する。
東北大学・中央電子・マスプロ電工が開発しているMPI 2による検査 資料:国土交通省 |
米Brijot Imaging SystemsのSAFE SCREENによる検査 資料:国土交通省 |
8月23日から8月27日までの実験で用いられるドイツSmiths Heimannのeqoはアクティブタイプで鮮明な画像が映し出される機種。別室にいる画像調査者が身体に隠匿物があるかどうかを判別してオペレーターに伝える。
ドイツSmiths Heimannのeqoによる検査 資料:国土交通省 |
9月6日から9月10日までの実験で用いられる英国ThruVision SystemsのT8000は、人体が発するテラ波を検知するパッシブタイプ。機器脇の画像調査者が隠匿物の有無を判別する。
英国ThruVision SystemsのT8000による検査 資料:国土交通省 |
5機種のうち、鮮明な画像が調査員の目に触れるドイツSmiths Heimannのeqoについては、画像は本人が特定できないように顔にぼかしが入れられ、画像分析担当者は被検者と画像を見比べないようにするなどの配慮がなされる。また、画像分析担当者は基本的に被検者と同性であり、被検者が選択することも可能。
それ以外の機種についても、諸外国では特別な配慮が行われないのが一般的だが、今回は「画像は保存せず破棄」「画像は本人と調査員以外の人から見られないようにする」といった策がとられる。