雑誌『+DESIGNING』、雑誌『Web Designing』、『マイコミジャーナル』の3媒体が、様々なジャンルのクリエイターたちを100人連続で紹介していく新企画。第31回は、インテリアデザイナーの安藤僚子が登場。

安藤僚子プロフィール

1976年生まれ。多摩美術大学美術学部建築科卒業、オーワスを経て独立。2007年MS4Dに参加。2009年中目黒に「デザインムジカ」開設。インテリアデザイナーとして多くの空間デザインを手掛けるほか、ブランドのCI・VI、ツールなどのトータルなディレクションも行なう。主な仕事に、銀座伊東屋フロアデザイン、う匠山家膳兵衛ブランディング、WUTberlinブースデザイン、Le Baron de Paris会場ディスプレイなど。JCDデザインアワード2008入選、ディスプレイデザイン賞2008入選。

Q&A

――この仕事に就こうと思った年齢ときっかけは?

安藤僚子(以下、安藤)「高校生の時、美大に行きたくてデッサンを学ぶうちに空間に興味を持ったのがきっかけ。建築を学んでいましたが、インテリアデザイナーになろうと覚悟したのは独立してからです。28歳頃」

――これまでで一番思い入れのある仕事は?その理由や思い出を教えてください。

安藤「『Jolie Toujours』雑貨アクセサリーストアの立ち上げから関わった仕事。ストアデザインだけでなく、ロゴやパッケージまでトータルに開発しました。たとえ厳しい条件でも、アイデアがきちんと形になると強い個性を持ったものを生み出せると実感できました。また恥ずかしさすらあった自分の「カワイイ」デザインに対して評価してくれる人が増え、カワイクッて良いのだと自信を持つきっかけになった仕事です」

Jolie Toujours
CL:東京芸夢 / AD、ストアデザイン:安藤僚子

――この仕事を辞めようと思ったことはありますか?また、そのきっかけは何ですか?

安藤「会社員時代、入社して3年間は奴隷のように働いていたので、毎日辞めたいと思っていました。会社を辞めてすぐの時も、逃避するように他の仕事に憧れました。料理人とか、バーのマスターとか、主婦とか…」

――これから取り組んでみたいこと、関わってみたい仕事は何ですか?

安藤1、地方の仕事。和歌山の古座川町へ旅行した時に、地元の人と友達になったことがきっかけ。地元で採れる素材と地元の人材を使って何かを生み出せないか考えています。2、映像技術を環境に自然に取り入れること。例えば、壁紙が映像のように自由に模様替えできるとか、レストランのメニューが手のひらに浮び上がるとか…。エウレカコンピューターというシステム開発会社の仲間とよくそんな話しをしていて、いつか実現させたいと本当に思っています。3、セットデザイン。現実とは離れ、夢のような世界を創ることに興味があります。イラストレーターのPrzemek Sobockiと一緒にセットデザインのチームをつくり、そんな夢の中のような世界を創る仕事をしたいと計画中です」

――愛用している、思い入れのある道具や本、ものを教えてください。

安藤「クロッキー帳と色鉛筆。打合せメモやアイデアスケッチ、すべてこの1冊にします」

安藤氏愛用のクロッキー帳と色鉛筆

――尊敬している人を教えてください。

安藤「野田凪さん、柴田陽子さん 女性らしくのびのび仕事している人は尊敬します」

――アイデアを練る場所、時間などを教えてください。

安藤「事務所のデスク。夜に良いアイデアが思いつきます」


――1カ月で仕事をしない日は何日ありますか?

安藤「時期によりますが、3日~8日」

――理想的なオフの過ごし方は?

安藤「家で料理を作って食べること、のんびり出かけること」

――趣味やコレクションなど、いま、個人的にハマっていることを教えてください。

安藤「たい焼き。小豆好きなもので」

――お酒を飲みますか?週何日、どのくらいの量を飲みますか?

安藤「週5日は飲みます。普段はビール2杯くらい。美味しいお酒だとすごい飲みます」

――同業でよく飲みにいく、食事をする人は誰ですか?

安藤「長澤昌彦さん(グラフィックデザイナー)、最近は、西澤徹夫さん(建築家)」

作品紹介

左:WUT berlin Exbition Booth
CL:アッシュ・ぺー・フランス / AD:安藤僚子
右:香蘭社銀座ショールーム
CL:香蘭社 / D:安藤僚子