フランス公正取引委員会は、顧客の「AdWords」掲載を一方的に停止した米Googleのビジネス慣行に対し、競争法違反の疑いがあるという暫定調査を出した。当局はGoogleに対し、申し立てを行ったフランス企業のAdWordsアカウント復活とともに、サービス条件を明確にするよう命じている。
道路交通情報など位置情報コンテンツ・サービス事業者の仏Navxは2010年2月、GoogleからAdWords契約を解除されたとして、公正取引委員会に申し立てていた。同社によると、Googleは2009年11月、ポリシー違反を理由に、予告なしに一方的に自社AdWords契約を停止したという。これは公正な振る舞いではないとして、当局に苦情を申し立てていた。
Navxによると、同局は暫定調査の結果として、Googleの慣行は透明性に欠けるとする結論を下し、5日以内にNavxアカウントを復活させること、4ヵ月以内にAdWordsサービスの条件を明確にすることを命じたという。
AdWordsはフランスで約90%のシェアを持つ。Navxによると、同社は3年以上の間AdWordsを利用しており、AdWords停止により売り上げの6~7割がなくなりリストラを余儀なくされたとしている。Navxによると、GoogleはAdWords停止の理由について、レーダー探知端末はフランスでは違法であるため、としていたというが、Navxはレーダー探知端末ではなくスピードカメラ(速度違反取締装置)の位置情報を提供しているだけで、Googleは判断を再考してくれなかった、と主張している。
なお、今回の調査は暫定調査であり、最終結果ではない。Googleは不服を訴えることができる。