電子書籍・雑誌の開発と普及を目的として研究と情報交換を進める専門書・実用書出版社の団体「電子書籍を考える出版社の会」(英文名:eBook Study Group of Publishers、略称eBP)は1日、毎日コミュニケーションズにて新規加盟を希望する出版社等約30社を対象にした説明会を開催した。

このたび毎日コミュニケーションズにて行われた「電子書籍を考える出版社の会」新規加盟社向け説明会では、参加した約30社に対して同団体の設立趣旨をはじめ、活動内容やその詳細についての説明が行われたほか、加盟方法等が説明された。

毎日コミュニケーションズ マイナビルームにて行われた「電子書籍を考える出版社の会」(略称eBP) 説明会

左から代表幹事 滝口直樹(毎日コミュニケーションズ)、副代表幹事・会計 臼井かおる氏(翔泳社)、相談役 加藤博氏(技術評論社)、幹事 梅屋文彦氏(ソフトバンク クリエイティブ)

説明会冒頭において、代表幹事を務める毎日コミュニケーションズの滝口直樹からは「iPhoneやiPadの登場により電子書籍が注目を浴びているが、出版社や著者等を取り巻く情報が錯綜している現状において、1社単独ではなく複数社で情報を共有していく必要性がある」と、同団体の設立動機を説明。また「日本電子書籍出版社協会は文芸/文庫商品をメインとしている出版社の団体であると思われるが、eBPは実用書、あるいは専門書を扱っている点で、独自の研究が必要であると感じている」と、他団体との相違を語った。

さらに、事前に問い合わせのあった企業や説明会に参加した企業が他業種にわたっていた状況を受け「出版社だけでなく、さまざまな業界とも連携し、メリットを共有できる団体として進めていきたい」とも付け加えた。

続いて副代表幹事・会計を務める翔泳社の臼井かおる氏から同団体の組織/活動内容についての解説が行われた。臼井氏の説明によると、同団体は、重要項目の報告や検討、各分科会活動の報告を主とする月1回の「定例会」、テーマの情報収集と研究・勉強会・情報交換を主とし、月1回から2回開催される「分科会」、運営に関する打ち合わせを適宜行う「幹事会」、年1回の「年度総会」で構成され、セミナーなども開催していくとのこと。

なお、現在決まっている分科会は「契約・権利分科会」、「販売分科会」、「技術分科会」、「電子出版戦略分科会」となっており、各分科会で行われる内容の解説と方針を、幹事のソフトバンク クリエイティブ 梅屋文彦氏、事務局長を務める技術評論社 馮冨久氏、毎日コミュニケーションズの出町浩一郎が行った。

会場には数多くの参加社が訪れ(左)、説明会後には名刺交換等も行われた(右)

最後は参加者による質疑応答が行われたあと、再度、代表幹事の滝口より「eBPはさまざまな情報を共有し、判断を一緒に行っていくために設立したものであり、決して他団体と競合するものではなく、むしろさまざまな形で協力しあっていけるような関係を築いていきたい」と参加社に対してコメントし、合わせて積極的な加盟を求めた。