ノベルは6月25日、アイデンティティ(ID)管理製品の新版「Novell Identity Manager 4 Advanced Edition」(以下、IDM4)を発表した。
IDMは、アプリケーションをまたがった統合的なID管理を実現する製品。SAP、PeopleSoft、Lotus Notes、Microsoft Exchange、Active Directoryなど、ベンダーを問わずに各種製品のID管理を一元化でき、IDの発行、変更、無効化などの作業を個別に行う必要がなくなる。
また、プロビジョニング自動化機能を備えており、例えば、メンバー増員の際にも、各製品のセキュリティやアクセス関連のポリシーに適合するかたちで、適切なアクセス権を持つIDを即座に発行することができる。さらには、IDの発行状況が、セキュリティポリシーやコンプライアンスに適合しているかなどを検証することも可能という。
新版では、Microsoft SharePointドライバを搭載したほか、SAP ERPシステムとの連携を強化。加えて、Salesforce.comやGoogle Apps対応のドライバを追加し、クラウドサービスに関しても統合的なID管理が行えるようになっている。
また、複数のアプリケーションのポリシーを突き合わせて整合性がとれているかどうかを確認する分析機能(アナライザ)を搭載。そのほか、役割や職位ベースの詳細なアクセス権割り当てを行うロール管理機能(ロール・マッピング・アドミニストレータ)なども追加されている。
販売はノベルのパートナー企業を通じて行われ、市場参考価格は1ユーザ 6,000円(税別)~。2010年9月より提供が開始される予定。
また、ノベルはIDM4の発表に併せ、サン・マイクロシステムズが提供するID管理製品「Sun Identity Manager」などのユーザーに対して、無償でIDM4への交換を受け付けるプログラムを展開することも発表。サン製品のユーザーは、IDM4のライセンス費用を支払うことなく、メンテナンス費用のみで交換することができるという。
交換対象製品は以下のとおり。
Sun製品 | Novell製品 |
---|---|
Sun Identity Manager | Novell Identity Manager、Novell Roles Based Provisioning Module、Novell Enterprise Integration Module |
Sun Open SSO | Novell Access Manager |
Sun Directory Server EE | Novell eDirectory |
ノベルでは、今回の交換プログラムのねらいに関して、「オラクルの傘下にあるサンの製品カタログが大幅に縮小されるという最近のニュースを受け、サンの製品を使用するお客様企業の将来への懸念に対応するものです。また同時に、本日発表した『Novell Identity Manager 4 Advanced Edition』拡販のためのプログラムでもあります」と説明している。