ソフトブレーンは6月24日、同社の営業支援ツール「eセールスマネージャー」をクラウド対応させ、ユーザインタフェースやBI機能を強化した「eセールスマネージャーRemix Cloud」を発表、同日販売開始した。同社 代表取締役社長 豊田浩文氏は「新バージョンとはいえ、基本コンセプトは最初に出した1999年から変わっていない。とくにプロセスマネジメントに関しては、今も昔もソフトブレーンがもっとも得意とするところ。10年間で蓄積したノウハウを武器に、今後も世の中と顧客のニーズにあわせた機能強化を図っていきたい」と語る。
eセールスマネージャーRemix Cloudにおける機能強化のポイントは以下の3つ。
- マルチクラウド
- 仮説検証型UI
- 営業BI機能
クラウド対応を謳うSFA/CRMは、すでにSalesforce.comをはじめ、Oracle CRM、Microsoft Dynamics CRMなど、外資系企業の製品を中心に数多く存在する。これらとeセールスマネージャーRemix Cloudの違いは、複数のクラウドプラットフォームに対応していることだ。国内大手ITベンダの展開するプライベートクラウド基盤をはじめ、Amazon EC2やWindows Azureなどメジャーなプラットフォームにはすべて対応させているという。また、TwitterやYammerなどのソーシャルネットワークとの連携も強化、社内と社外の情報を融合させたポータルとして機能させることも可能だ。
そして、ソフトブレーンが「競合他社よりも優位に立つ」と自信を見せるのが、プロセスマネジメントを重視し、使いやすさを追求したユーザインタフェースだ。こだわりはメニュー部分を「計画・報告」「検証・改善」「業務支援」などプロセスごとにまとめているところ。メニューを左から順にアクセスしていくことによって、自然とPDCAに沿った形で営業活動ができるしくみになっている。操作性についても、これまでSFA/CRMを使ったことがない営業マンでも簡単に使えるように設計されている。
BI機能については「営業生産性を上げる」ことにフォーカスし、ダッシュボードやアナライザを標準搭載、営業プロセスを管理し、予算達成を意識したプロセスマネジメントを可能にするとしている。
今後の展開としては、多言語対応、中国市場対応強化、モバイルデバイス対応強化、見積ワークフロー、ルート営業機能などを順次追加していく予定だ。
eセールスマネージャーRemix Cloudの価格は、1ユーザあたり1万1,000円/月、バリューオフ(不要な機能をオフ)で8,000円/月から。オンプレミス提供の場合のライセンス費用は、1ユーザあたり13万5,000円。なお、リリース記念キャンペーンとして他社製品からの移行を支援する「乗り換えキャンペーン」、旧バージョンのeセールスマネージャーV7.2からの移行を支援する「移行費用無料キャンペーン」も実施している。
創業者・宋文洲氏の要請で山元賢治氏がマネジメント・アドバイザーに就任
24日の会見には、ソフトブレーンの創業者である宋文洲氏が駆けつけた。宋氏は「製品が良ければ売れる、という時代は日本だけでなく、すでに中国でも終わっている。いい製品をいかに売るか、そのしくみを確立することが重要。eセールスマネージャーはそのための製品であり、それは1999年から変わらない」としている。
ソフトブレーンは「プロセスマネジメント」「3つのレス(ワイヤレス、シームレス、キーボードレス)」「プロセスの自由設計」を創業時から同製品のコンセプトとしている。宋氏は「10年前にはできなかったことが、今、技術の発展によって製品に搭載することができた」と語り、「伸びる会社はどこもeセールスマネージャーを使ってくれている。10年間で1,600社のお客様に使っていただいたことで蓄積したノウハウを活かしていきたい」とする。
また、6月14日から同社のマネジメント・アドバイザーに就任した山元賢治氏も登壇し、就任のいきさつについて、「東証一部上場会社であり、開発者が日本にいる国産パッケージベンダでありながら、ソフトウェアブレーンが現在業績の不振に苦しんでいると聞いた。宋さんから(ソフトブレーンの)社長にならないかと打診されたが、ここには創業時から宋さんと一緒に走ってきたスタッフがいるし、年齢的にも自分が社長を務めるにはややきびしいと感じた。だが、米国企業で30年もまれてきた自分の経験がソフトブレーンの役に立つのなら、と思いマネジメント・アドバイザーを引き受けさせていただいた」と語り、「海外から見て感じるのは、日本という国はあらゆる面で本当にすばらしいところだということ。この良さをもっと日本人自身に知ってもらいたいし、逆に日本人が弱い、ビジネスにおける標準化/ルール化/文書化などの重要性も伝えていきたい」とした。