話題のタブレット型端末「iPad」の国内発売に続き、「iPhone4」がついにリリースされた。新型iPhoneでは、カメラ性能も向上されHD映像の撮影も可能になり、クリエイターにとっても非常に気になるところだろう。今回は、強力なビデオツールとして威力を発揮してくれるiPhoneアプリの中から、簡単に独創的かつ多彩な映像を撮影し制作可能なおすすめのアプリをまとめてピックアップしてみよう。

Qik Video Camera Pro for any iPhone

このアプリの最大の特徴は、ビデオ撮影機能が標準搭載となっているiPhone 3GSだけでなく、iPhone 3Gでもビデオの撮影が可能になること。さらに、ビデオ撮影にとどまらず、ズームやエフェクトなどもタッチ操作だけで利用できるため、クリエイティブな映像を手軽に作り出せる。価格は115円。

アプリを起動すればすぐに撮影が可能。エフェクトも画面下部にレイアウトされたサムネイル(エフェクトホイール)をタップするだけで適用できる。撮影時はランドスケープモードに対応し、不要なボタン類も隠すこともできる

アプリ内には、白黒、赤のみ、ミラー、アバター、セピア、レンズ、回転、X-ray、フロスト、フォトミックス、そして最新バージョンで追加されたキャプチャーフォトなど、ユニークな効果を生み出してくれるリアルタイムエフェクトを数多く搭載。特に、フロストやフォトミックス、キャプチャーフォトなどは、独特雰囲気が得られるのでぜひお試しいただきたい。なお、撮影したビデオは、カメラロールへの保存、メールでの共有、Wi-Fiを介したビデオのダウンロードほか、FacebookやTwitter、Youtube、Qik(qik.com)などのソーシャルネットワークへの投稿もダイレクトに行える。こういった各種WEBサービスとのスムースな連携機能も、大きな魅力のひとつといえるだろう。

フロストでは、曇りガラスを指でなぞったときの様な効果を再現、フォトミックスでは、ラメラロールに保存された写真を映像に重ね合わせて表示できるなど、クリエイティブな絵作りが行える

iTimeLapse Pro - Time Lapse videos

最近CMやミュージックビデオなどでも利用される機会が増えている特殊な撮影方法「TimeLapse」。インターバル撮影や微速度撮影とも呼ばれており、映像はコマ撮りまたはコマ落としすることで、あたかも早送りしているかのように見せる撮影方法だ。夜間の車の流れを、流星のように捕らえた映像を皆さんも一度は目にしたことがあるのではないだろうか。

本アプリは、そんなプロフェッシナルに肉薄する微速度撮影をiPhoneだけで再現できる強力なビデオツール(価格:350円)。撮影方法も非常に簡単で、新規インターバル撮影を選択して、撮影開始ボタンをタップするだけ。ユーザーインタフェースは、日本語化されており、英語が苦手な人でも安心して操作できる。撮影間隔(タイマー/マニュアル/サウンド)、キャプチャ開始(手動/タイマー/日付)、停止(フレーム/タイマー/日付)、画像サイズなどの詳細なキャプチャ設定も可能で、本格的インターバル撮影による作品作りが楽しめるようになっている。なお、完成したビデオは、カメラロールへの保存、メール送信に加え、YouTube、Facebook、Vimeoなどへのアップロードも行える。

簡単操作で、一定間隔でシャッターが自動で切れるプロ顔負けのインターバル撮影が行える。しかも解像度は、最高1536×2048(iPhone 3GSの場合)という、フルHDを越える解像度での撮影もサポートされる

撮影する頻度により、コマ送りの滑らかさが異なる。また、サウンドに設定すれば、ある一定の音量を超えた時のみ自動的に撮影が行われるようにすることも可能だ。映像のレンダリング時には、あらかじめ用意されたサウンドトラックも加えられる

Slowmo

最後に紹介する「Slowmo」(価格:115円)は、iPhoneで撮影されたビデオを、自由な速度で再生できるアプリ。至ってシンプルな設定画面は、あらかじめ撮影されたビデオ、またはその場撮影したビデオをアプリに読み込み、画面下部のスライダーを動かすことで、「-0.8x」(最遅)から「+2.0x」(最速)までの範囲でスピードをコントロールできる。単なるスローモーションと侮るなかれ。Slowmoで処理することで、見慣れた景色や動作もアーティスティックなものへと激変するのだ。本アプリに、「Qik Video Camera Pro」や「iTimeLapse Pro」で作成したビデオを取り込み編集することで、さらにバリエーション豊富な映像作品をiPhoneだけで制作可能だ。

シンプルなボタンが用意された画面は、操作に迷うこともない。セットアップボタン画面では、ビデオの速度に合わせて音声のピッチも変更するように設定することができ、面白い効果を生み出せる