エルピーダメモリは6月24日、50nmプロセスおよびCu配線技術を採用した2GビットGDDR5「EDW2032BABG」を開発したことを発表した。

2GビットGDDR5「EDW2032BABG」

同製品は、同社ミュンヘンデザインセンターにて開発されたもので、同社の独自設計としては初のグラフィックスDRAMとなる。データ転送速度は7Gbps(max)で、構成は64Mビット×32、8バンクとなっており、×32と×16の2種類のI/O構成により、カスタマのさまざまなシステムに対応することが可能だ。また、量産時のテストコスト削減のため、超高速テスタが不要な独自のテスト手法が採用されているという。

メモリにグラフィックスDRAM(GDDR)を用いるGPUの用途は、ゲーム機やPCなどのグラフィックス分野に限らず、その演算パワーを活かして、科学技術計算や物理シミュレーション、デジタル画像処理やビデオ変換などへと広がっている。これらグラフィックス用途向けに2GビットGDDR5を採用することで、従来の1Gビット品の実装時に比べGPUあたり2倍のフレームバッファサイズを実現することが可能となる。これによりGPUは、メインメモリとの間で大きな画像データをやりとりすることなく高速処理を行えるようになり、リアルなPCグラフィックス表現が可能となるほか、科学技術計算や物理シミュレーションなどでも、より大きな規模のデータを扱うことができると同時に、より多くのスレッド処理が可能となり、性能の向上が期待できるようになる。

現在、同社は1GビットGDDR3/GDDR5を台湾Winbond Electronicsへ製造委託しているが、今回開発した2GビットGDDR5は自社の広島工場にて生産を行う予定。自社工場での生産体制を整えることで、今後予想されるグラフィックDRAMの需要増に、よりタイムリーかつフレキシブルに対応できるようになるとしている。

なお、製品のサンプル出荷は2010年7月、量産開始は2010年第3四半期が予定されている。