The Green Grid 日本支部(以下、グリーン・グリッド)は6月24日、データセンターのエネルギー効率向上に関する表彰制度「グリーン・グリッド データセンター・アワード」を創設したと発表した。
The Green Grid Exective DirectorのLawrence Vertal氏 |
グリーン・グリッド データセンター・アワードは、英DatacenterDynamicsの協力の下に創設されている。DatacenterDynamicsは、イベント、雑誌、Webサイト、調査活動などを通じて、データセンターの効率化に関するノウハウを提供している企業。「Datacenter Leaders' Awards」と呼ばれる表彰活動を展開しており、昨年にはその一環として欧州向けに「Improved Data Center Energy Efficiency」という表彰制度をThe Green Gridとともに創設している。今回発表されたグリーン・グリッド データセンター・アワードは、同表彰制度の日本版になる。
グリーン・グリッド データセンター・アワードで対象となるのは、日本国内にデータセンターを設置し、自社もしくは事業としてデータセンターを運用している団体/企業。単純にエネルギー効率の高さだけを評価するのではなく、改善に向けた取り組みや継続性に焦点を当てている。
評価基準は以下のとおり。
ご覧のとおり、The Green Gridが提供する「PUE(Power Usage Effectiveness : 電力使用効率)」や「DCiE(Data Center infrastructure Efficiency : データセンター施設の電力効率)」といった評価指標を用いて活動効果を可視化し、改善活動を継続的に行っていることが大きなポイントとなる。
The Green Grid 日本コミュニケーション委員会代表 APCジャパン 坂内美子氏 |
なお、応募は、「サーバルームのような自社施設を運営する企業から、一般向けにデータセンター事業を展開する企業まで、施設の規模を問わず受け付ける」(The Green Grid 日本コミュニケーション委員会代表 APCジャパン 坂内美子氏)。ただし、最低6カ月以上のエネルギー効率改善活動を行っていることが条件に挙げられている。
優秀事例に選ばれると、その取り組み内容がグリーン・グリッドらによりベストプラクティスとして公開される。The Green GridやDatacenterDynamicsの情報誌に掲載されるほか、「DatacenterDynamicsが開催する世界35か所のイベントなどで大々的に取り上げられる」(DatacenterDynamics Chief Technology Officer & Managing Director, AmericaのStephen Worn氏)という。
DatacenterDynamics Chief Technology Officer & Managing Director, AmericaのStephen Worn氏 |
The Green GridのExective Directorを務めるLawrence Vertal氏は、「欧州では取引先を選定する際に、エネルギー効率向上に積極的に取り組む企業という点を考慮する風潮が出始めている。この分野のリーディングカンパニーとして認められれば、ビジネスにおいても大きなインパクトがあるはず」と今回の表彰制度の意義を強調。さらに、「エネルギー効率化の分野では、日本は政府レベルでも民間レベルでも早期から積極的に取り組んでいる。今回のアワードでどんな事例が出てくるのか非常に楽しみ」と期待を口にした。
応募期間は7月1日から9月17日まで。最終審査対象者が10月12日に発表され、受賞者は10月18日に開催される「Datacenter Dynamics 東京イベント」で表彰される。詳細はグリーン・グリッドのWebサイトから確認できる。