日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は6月24日、同社のネットワーク管理ソフトウェア「Network Node Manager(NNM)」の最新版となる「Network Node Manager i 9.0 software(NNMi 9)」を発表した。
日本HPのHPソフトウェア・ソリューションズ統括本部 ビジネス・テクノロジ・ソリューションズ事業本部マーケティング部マーケティングプログラムマネージャーの星野敏彦氏 |
NNMi 9では、アーキテクチャの変更が行われた前世代のNNMi 8で削られていた前々世代(NNM 7.52)の各種機能が復活したほか、クラウドや仮想化などへの対応が図られた。こうした機能拡張について、日本HPのHPソフトウェア・ソリューションズ統括本部 ビジネス・テクノロジ・ソリューションズ事業本部マーケティング部マーケティングプログラムマネージャーの星野敏彦氏は、「クラウド化という動きにおいて、データセンターの構築がネットワークインフラとして重要となってきている。こうした動きに対し、"コスト"、"リスク"、"品質"の3点で強化を図ったのがNNMi 9」と説明する。
日本HP HPソフトウェア・ソリューションズ統括本部 ビジネス・テクノロジ・ソリューションズ事業本部ソフトウェア・ソリューション技術本部 技術第三部ソリューションコンサルタントの梅根庸一氏 |
クラウドや仮想化が進展すると、1つ1つのサーバが肥大化することとなる。「例えば、仮想化以前はスイッチの下に10台のサーバが連なった形で運用されていたのが、1台のサーバあたり10台の仮想化環境を提供する仕様となると、1台のスイッチのしたには100台のシステムが存在することとなる。もし、この状況でスイッチがダウンすると、大きな問題が発生することとなる」(同社HPソフトウェア・ソリューションズ統括本部 ビジネス・テクノロジ・ソリューションズ事業本部ソフトウェア・ソリューション技術本部 技術第三部ソリューションコンサルタントの梅根庸一氏)となるほか、複雑化したネットワーク上では、これまでとは異なる障害なども含めた「障害の数や種類が増えることとなる」(同)。
こうした情報を幅広く集め、その集めた情報を解析し、オペレータに分かりやすく知らせることを目的としたのがNNMi 9で、例えば性能管理としてはMIBブラウザやMIBファイルのロード/アンロード、MIB式の設定のほか、データのトレンド分析のためのリアルタイムグラフの表示などが可能となっている。また、NNMi9のAdvanced版では、IPv6監視機能やESXサーバ監視機能などが追加されている。さらにオプションとして、(どのポートからどこに流れたなどの)データの流れをチェックできる「iSPI for Performance Traffic」およびパケットの通信品質などをチェックできる「iSPI for Performance Quality Assurance」が用意されている。
加えて、監視対象の拡大も行われており、カード/ポート監視機能の追加やデバイスコンポーネント監視のサポート対象の拡大が図られている。
Advancedで提供されるIPv6の監視機能は、IPv4との混在環境である「DualStack」と純粋なIPv6環境の「Pure IPv6」の両方に対応しており、IPv4と混在したトポロジマップ画面やインベントリ画面での管理が可能となっている。また、同じくAdvancedで提供されるESXサーバ監視は、ルータやスイッチを自動的に識別するようにESXホストとVirtual Machineを自動的に識別、ルータやスイッチと同じようにトポロジマップやインベントリ画面で管理することを可能としている。
なお、同ツールは7月1日より販売開始が予定されており、通常版が50万4,000円、Advanced版が126万円となっている。