IDC Japanは6月23日、国内ルータ/Ethernetスイッチ市場動向を発表した。これによると、2009年の同市場は、企業向けおよび通信事業者向け市場の売上額は企業の投資抑制と通信事業者の次世代サービス向け投資減少の影響を受け減少し、コンシューマー向けルータ市場は家庭内での無線LAN対応機器の増加に伴い拡大したという。

2009年の国内ルータ市場は前年比成長率マイナス19.1%の1,265億9,900万円だった。なかでも、企業向けルータ市場は前年比成長率マイナス25.5%の306億3,200万円、通信事業者向けルータ市場は733億1,300万円で、前年から22.1%の減少となった。

一方コンシューマー向け市場は、PCのほかゲーム機、テレビ、スマートフォン、プリンタなど無線LAN対応機器の増加とともに家庭内ネットワーク構築が広がり、無線LANルータを中心に6.2%の増加となった。

厳しい経済環境下にあった2009年市場では、ベンダーシェアに大きな変動は見られなかったが、企業向けEthernetスイッチ市場でHPとH3Cのシェアポイントが増加した。その要因について、国内市場における認知度の向上やコストパフォーマンスの高さがあると同社は分析している。

今後、通信事業者向け市場はバックボーン強化に対する継続的投資と競争力維持のための新たなネットワークサービス開発や既存設備強化に対する需要によって、プラス成長となるという。通信事業者向けルータ市場の2009年~2014年の年間平均成長率は0.6%、通信事業者向けEthernetスイッチ市場は同5.2%と予測されている。

国内企業向けルータおよびEthernetスイッチ市場は、市場の成熟化とリプレース中心で新規導入に乏しい市場環境から、共にマイナス成長が見込まれている。2009年~2014年の年間平均成長率は、企業向けルータ市場がマイナス0.8%、企業向けEthernetスイッチ市場がマイナス3.3%と予測されている。

同社は企業のネットワーク更新が2011年を中心に進むと予測しており、2011年に企業向けルータ/Ethernetスイッチの需要が高まると見ている。

国内ルーター/Ethernetスイッチ市場 ユーザーセグメント別売上額予測(2008年~2014年) 資料:IDC Japan