東レは6月22日、基礎研究力の強化を図り、革新的な先端材料を継続的に創出することを目指して、基礎研究体制を刷新。6月24日付で、同社・研究本部の基礎研究部門である基礎研究所を「基礎研究センター」に改称し、同センター内に「先端材料研究所」(滋賀県大津市)を新設することを発表した。また、同時に「先端材料研究所」に、「新エネルギー材料」、「バイオベースポリマー」、「先端医療材料」、および「ポリマー基礎」の4つの「研究ユニット」を設置し、国内3拠点(滋賀、名古屋、三島)と海外2拠点(中国・上海、韓国・ソウル)における研究機能の一部を各ユニットに再編。研究ユニットによる国内外の基礎研究機能を有機的に結合することで、材料分野における基礎研究を全社統一戦略のもとで推進できる体制を構築することも発表した。
先端材料研究所では、グローバルな"研究ユニット"体制のもと、同社のコア技術である「高分子化学」の基礎研究力強化を図り、地球環境問題への対応に代表される社会のパラダイムシフトを先導する次世代先端材料の基礎研究と、革新的な基幹素材を創出するためのポリマー基礎研究を推進していく。
具体的には、革新電池部材等の新エネルギー材料、非化石資源由来の高分子材料(バイオベースポリマー)、先端医療材料などの革新先端材料創出に取り組み、中期経営課題"プロジェクト IT-II"の成長戦略推進(APG)プロジェクトで掲げている「経済成長の制約要因である地球環境保護、資源・エネルギー、少子高齢化等の問題に対する当社製品・技術によるソリューション提供」を推進するという。
また、今後の先端材料創出の基盤となる革新重合プロセス、高分子高次構造制御、計算化学などの基礎研究を推進していくほか、これらの推進のため、海外も含めた産官学にまたがるグローバルな社外連携、オープン・イノベーションを強化していく方針。
なお同社は今後、"基礎研究センター"の3研究所において、材料分野における基礎研究を"先端材料研究所"で、バイオテクノロジーとナノテクノロジー、およびその融合領域における基礎研究を「先端融合研究所」(神奈川県鎌倉市)で、そして革新的な創薬研究を「医薬研究所」(神奈川県鎌倉市)でそれぞれ推進し、グループ基礎研究力の強化を図り、革新先端材料の創出に取り組んでいくとしている。