パナソニックは6月21日、工場の省エネに必要とされる技術や設備、人材、資金面での支援を包括的に行う「工場まるごと省エネ」サービスを4月より開始したことを発表。2011年度から本格的な事業展開を行う。
同サービスは同社のCO2削減ノウハウをもとに診断から改善提案、"見える化"、各種技術といった要素を外部に対して提供するもの。初期投資を行わずに省エネ対策を実施できるサービスや、継続的な省エネサポートなども含まれる。
"見える化"の支援は、同社が開発したツール「P-FEMS(Panasonic Factory Energy Management System)」によって行われ、このツールは2011年度から販売が開始される予定。
また、同サービスでは「SE-Link」(Save Energy Link)と呼ばれる省エネ連携制御システムが基幹技術として位置付けられており、原動設備(コンプレッサーやボイラー、空調制御機など)や生産設備(組立て設備、炉など)のセンサーネットワークを活用した数値分析などを実施することで工場全体の省エネ対策を実現する。
同社は排水処理や造排水リサイクル、排ガス処理、資源リサイクル、土壌地下水浄化、太陽光発電といった環境・エネルギー技術の提供も実施する「工場まるごと環境ワンパッケージサービス」についてもあわせて事業展開を行う。
なお同サービスの事業主体はパナソニック環境エンジニアリングが担当し、「P-FEMS」や「SE-Link」などのツールや技術の開発をパナソニック 生産革新本部が担当する。同社は今後、同事業を海外でも展開。2012年における販売目標を60億円としている。