Xilinxは、同社FPGA「Spartan-6」ファミリ向けに、東京エレクトロン デバイス(TED)がMECHATROLINK協会が策定したファクトリオートメーション(FA)向けオープンモーションフィールドネットワーク通信規格「MECHATROLINK-III」に適合したIPコアを開発したことを発表した。
MECHATROLINKは、MECHATROLINK協会が普及活動を展開している FA分野におけるコントローラとサーボモータ、インバータ、ステッピングモータなど各種コンポーネントを接続するモーション制御向けのオープンなネットワーク通信。高速通信や同期性の保証により、システムの高速化や高機能化、高信頼性を実現し、また、システムの省配線や小型化、高い拡張性の提供などの特徴を持つ。これまでに、MECHATROLINK協会の認証を取得した約170万ノードの製品が半導体製造装置、液晶製造装置、食品包装機器、LED製造機器向けなどに国内外で出荷され稼働している。
同IPコアは、同規格の最新仕様であるMECHATROLINK-IIIに適合。MECHATROLINK-IIIは、伝送速度が100Mbpsイーサネットに対応しており、伝送周期は 31.25μs から64ms、最大で62ノードまでの機器を接続することが可能で、それぞれのノード間では完全同期した制御を実現できる。これまでMECHATROLINK-IIIの開発には、マスタ/スレーブ兼用のASICが使用されていたが、同IPコアを活用することで、ASICの代わりにマスタおよびスレーブ個々にアレンジすることが可能となるため、従来のASICを使用した場合に比べ、高集積化や低コスト化、省スペース化、高速化を実現するとともに、FPGAのメリットである柔軟性という特徴を生かした、機器の多様な組み合わせによるシステム開発の効率化が可能となる。
なお、同IPコアは、MECHATROLINK協会の認証取得後の2010年第3四半期より提供を開始する予定となっている。