Freescale Semiconductorは、Pounce Consultingと提携し、操作が容易な携帯型遠隔モニタリングシステムのリファレンスデザインとしてキオスク端末「Intelligent Hospital」を開発したことを発表した。これにより、患者および医師は自宅や遠隔地においても所定の健康診断を実施することができるようになるという。
同端末を患者は、自宅でモニタ装置として使用して、自身のバイタル・サインおよび診断結果を遠隔地の医療機関に送信することで、慢性疾患が引き起こす急性の合併症を防ぐことも可能となる。また、公共の場に設置して、個人がさまざまな医療検診を行ってその結果を病院に送信することもできる。
同社のマイクロコントローラ「Flexis MM」ファミリは、1チップで同リファレンスデザイン上の9つの医療デバイスを駆動し、アナログ回路のコストおよびノイズ干渉を低減する。搭載されるデバイスは「体重計」「超音波式身長計」「体温計」「血圧計」「心拍計」「心電計EKG」「パルス酸素濃度計」「血糖値計」「肺活量」と呼吸循環を計測するための「肺活量計」。タッチセンサ式ユーザ・インタフェースを搭載しており、動作モードを切り替えられるだけでなく、人体との接触面が平坦であるために洗浄や消毒も容易だ。また、磁気カードリーダで読み取られた患者情報は、USBやZigBeeを通してPCやサーバに転送され、電子カルテ(EMR)として保管することができる。
なお、病院のインテリジェント化を実現するキオスク端末による実験では、医師は合計67名の患者に対して1人当たり平均7分で詳細な検診を実施し、そのうち5名については初期検診で検出されなかった健康障害を診断した。