マカフィーは6月16日、ファイアウォール・アプライアンスの最新版「Firewall Enterprise version 8」の提供を6月25日より開始することを発表した。同製品の特徴はアプリケーションの保護機能が大幅に強化されている点。

同製品はファイアウォールの機能に加えて、IPsecVPN、SSLフィルタ、URLフィルタ、スパム対策、ウイルス対策、IPSといった一通りのセキュリティ機能を搭載している。導入形態は従来のアプライアンスのほか、仮想ハードウェアアプライアンスやソフトウェアベースの仮想アプライアンスにも対応。価格は117万6,000円(税込、サポート費用別)からとなっている。

左から、Firewall Enterprise version 8の「1100F」モデル、「4150F」モデル

マカフィー 営業・マーケティング統轄 取締役 常務執行役員 畠中有道氏

営業・マーケティング統轄 取締役 常務執行役員を務める畠中有道氏は、「当社はこの2年の間に数々の買収を行って、ソリューションのポートフォリオと対応するセキュリティ分野を拡大してきた。今回発表するFirewall Enterprise version 8はアプリケーションを可視化する機能が追加されており、統合セキュリティをより強化する製品」と述べた。

続いて、マーケティング本部 コーポレートマーケティング部長を務める市橋満氏が、同製品を市場に投入した背景について説明した。

その要因の1つとして挙げられたのが、「老舗のファイアウォールベンダーが提供している製品とユーザーのニーズに乖離があること」だ。「SaaSやクラウドコンピューティングの普及により、アプリケーションにおけるセキュリティの需要が高まっているが、主要ベンダーが提供しているファイアウォールではこのための機能が十分ではない」

マカフィー マーケティング本部 コーポレートマーケティング部長 市橋満氏

加えて、同製品には同社のネットワークセキュリティ製品のポートフォリオを拡張するという役割もある。同社はWebセキュリティ向けアプライアンス、メール&Webセキュリティブレード、IPSを提供しているが、同製品によってアプリケーションの保護を強化するとともに、大規模システムへの対応まで広げていきたい構えだ。

同氏は同製品における新しち機能は高度なアプリケーションコントロール(McAfee AppPrism)と紹介。同機能では、ユーザーIDに基づき30以上のカテゴリ、約1,000のアプリケーションをコントロールすることができる。「ユーザーとアプリケーションを結び付けることで、よりきめ細かなコントロールが可能になる」と同氏。

加えて、競合他社のアプリケーションファイアウォールに対するアドバンテージとしては、ファイル、電子メール、Web、ネットワークに対してレピュテーションが行えることが挙げられた。

アプリケーションを可視化する機能では、リスクが高いアプリケーションの一覧や個別のアプリケーションの利用状況などを表示する。アプリケーションのトラフィックデータの統計に加えてリスクレベルを提示できるのは、同社ならではの強みだという。

Firewall Enterprise version 8の管理画面。アプリケーションのリスクや利用状況が視覚的に示されている