Mentor Graphicsは、OVM(Open Verification Methodology)に対する包括的サポートを継続して提供し、同レベルのサポートをUVM(Universal Verification Methodology)にも拡張することを発表した。OVMをサポートする主要テクノロジとしてUVMに拡張されたものには、先端検証プラットフォーム「Questa」やQuesta Multi-view Verification Components(MVC)ライブラリ、エミュレーション・プラットフォーム「Veloce」が挙げられる。
Questaは、UVMの基盤である「IEEE Std. 1800 SystemVerilog」に対応するサポートで先進の機能検証プラットフォーム。今回の拡張により、UVMに対しても、包括的な言語機能のサポート、シングルカーネル・シミュレーションおよびSystemVerilogの完全な機能デバッグを含む、ネイティブなサポートが提供される。
また、Questa MVCには、UVMのネイティブ・サポートが追加された。これにより、早期にUVMを導入したユーザも、業界標準プロトコルをサポートする包括的な検証IP(VIP)ソリューションにアクセスでき、手作業による変換、統合作業やラッパー・レイヤが必要なくなる。
さらに、VeloceもUVMを完全にサポート。UVM/OVMとVeloceプラットフォームの両用によるメリットとしては、大規模、複雑なSoC設計の機能検証に重要となるシミュレーションとエミュレーションの2つのテクノロジに、共通のトランザクションベース・テストベンチを使用できることが挙げられる。
なお、UVMのEarly Adopter版はOVM 2.1.1をベースとしており、これによりAccelleraが提供する単一の標準検証メソドロジを中心に統合することが可能だ。UVMを使用したいOVMユーザ向けにUVM Early Adopterキットが用意されており、コード内のOVMシンボルを自動的にUVMへ変更し、UVMに対応可能なPerlスクリプトが提供される。