当チャンネルのように、ビジネスマンを読者対象とするチャンネルは休日のアクセス数が落ち込むと言われている。しかし最近は、金曜日に掲載した記事が休日も引き続き読まれ、その結果、ベスト10入りすることも増えており、認識を改めたほうがよいのだろうか? 今週も1位、2位は先週金曜日に掲載したニュースが占める結果となった。
まずは、6月4日(金)から6月10日(木)までの経営チャンネルにおけるトップ10の記事を見ていくことにする。
順位 | 記事タイトル | 掲載日 |
---|---|---|
1位 | 日経HR、息子・娘に入社してほしい企業ランキングを発表 | 6月4日 |
2位 | 菅直人氏の新総理就任に関する経済界からのコメント | 6月4日 |
3位 | 国土交通省、高速道路無料化社会実験の対象37路線を発表 | 2月2日 |
4位 | 2010年度5月の全国企業倒産状況 - 帝国データと商工リサーチの値を比較 | 6月9日 |
5位 | 三洋、2015年度までに欧州の太陽電池の事業規模を8億ユーロに拡大 | 6月10日 |
6位 | 【コラム】エンタープライズ0.2 - 進化を邪魔する社長たち(65) ITで隠される派遣の不都合な事実。生臭いサクセス0.2 | 6月7日 |
7位 | セブン-イレブンでiPhoneとWindows phoneから写真や文書の印刷が可能に | 6月8日 |
8位 | 【コラム】キーワード&キーパーソンで理解するニッポンのITビジネス(20) "shaping tomorrow with you"に込めた富士通の75年目の想い | 6月7日 |
9位 | IMJ、iPadやスマートフォン向け集客支援サービスを提供開始 | 6月4日 |
10位 | 楽天の中国でのインターネット・ショッピングモールの名称は「楽酷天」に | 6月8日 |
今回トップとなった記事は、日経HRが実施した、今年子どもが就職活動をすると仮定して「息子、娘に入社してほしい企業」を調査した結果である。同調査は息子と娘とで分けて行われており、異なる結果が出ていて興味深い。まず、息子に入社してほしい企業は上から、三菱商事、地方公務員、トヨタ自動車という結果に。これらの企業が選ばれた理由の1位は「仕事を通して成長できそう」であり、息子には仕事を通じてたくましく成長してほしいようだ。一方、娘に入社してほしい企業は上から、資生堂、地方公務員、全日本空輸となった。息子に入社してほしい企業に比べて華やかな業種がランクインした。娘に入社してほしい企業を選ぶにあたっては「将来性」「企業理念」「福利厚生」を求める声が多く、娘には安定した生活を送ってほしいというのが親心のようだ。
7位の大河原氏のコラムは国内のITビジネスをテーマとしたものだが、今回は創立75周年を迎える富士通を取り上げていた。同社は今年3月から、新たなブランドプロミスとして「shaping tomorrow with you」を掲げている。この「shaping」という言葉には「かたちづくる、具現化する、社会を構築する、方向づける」という意味があり、同社がみずから何かを生み出すのではなく、顧客のパートナーシップに新たなものを創出するという気持ちが込められているそうだ。
近年、不況も相まってか、さまざまなベンダーがこぞって「顧客重視」の姿勢を打ち出している。これまでグローバルをカバーできるサポート力や技術力などをウリにしてきた外資ベンダーも、国内ベンダーが得意とする地方都市までカバーする「きめ細かな対応」への注力をうたい始めた。そうしたなか、逆に国内ベンダーにとって成長のカギとなっているのがグローバル展開だ。富士通も当然、グローバル展開とクラウドコンピューティングを事業戦略に掲げており、今後の動きに注目したいところだ。
本ランキングで何度も紹介しているように、息の長い高速道路無料化の社会実験の記事だが、今週は国土交通省が開始日を28日に正式決定したという報道がなされたことから、また注目を集めたようだ。ちなみに、この高速道路無料化の社会実験と同時にスタートするはずだった高速道路の新料金制度の開始日はまだ発表されていない。
最後に、小誌としては少し毛色が変わった記事、楽天の中国でのインターネット・ショッピングモールの名称に関するニュースが10位にランクインしたので紹介したい。「楽酷天」という漢字を見て、「なぜ『酷』という字をあえて入れたのか?」と思った方もいるのではないだろうか? 日本語では、「酷(ひど)い」、「残酷」といったように、「酷」という字をあまりよい意味では使わない。しかし、中国では「酷」は英語の「cool」のように「かっこいい」という意味を持つそうだ。所変われば何とやらである。楽天の企業としてのインパクトもさることながら、この名称もアクセス数を集めた要因ではないかと個人的には思っている。